相場が上がっているなら、もう少し待つべきですか|明石市

「明石は地価が上がってるって、新聞に出てましたよね。だったら、もう1年か2年、待ったほうが得なんじゃないですか」
この春以降、明石市でいちばん多く聞かれた質問です。そして、上がっているのは事実です。2026年の地価公示で、明石市の住宅地は5.2%の上昇。兵庫県内の市区町別で2年ぶりに1位、9年連続の上昇です(出典:神戸新聞NEXT、2026年3月)。人口も13年連続で増えています。
では、待てば得なのか。ここは、その方の家の「土地と建物の比率」によって、答えが分かれます。計算してみましょう。
あなたの家の中で、土地はいくらぶんか
明石市の直近1年の成約データで、戸建(土地と建物)は591件、中央値2,700万円、土地面積の中央値は120㎡でした。
いっぽう更地(土地のみ)は152件、1㎡あたりの単価の中央値は約14.0万円です。
戸建の土地120㎡に、この単価をかけると約1,680万円。総額2,700万円から引くと、建物などの部分がおよそ1,020万円という計算になります。
つまり、典型的な明石市の戸建は、価値の6割が土地、4割が建物です。

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1年待つと、どちらが勝つか
プラス側——土地の値上がり。1,680万円が5.2%上がると、1年で約87万円のプラスです。
マイナス側——建物が1年ぶん古くなる。これはいくらでしょうか。
明石市の戸建を建築年で分けると、2001〜2010年の帯が59件で2,800万円(土地120㎡)、1981〜2000年の帯が117件で1,600万円(土地125㎡)でした。土地面積がほぼ同じなのに、1,200万円の差があります。
この2つの帯の建築年の中心は、おおよそ15年離れています。1,200万円 ÷ 15年 = 年およそ80万円。

土地の値上がり 年87万円、建物の目減り 年80万円。ほぼ釣り合っています。
ここは正直に申し上げます。この計算は粗いものです。建築年帯どうしの差は、同じ家が年を取ったときの変化そのものではありません。帯によって立地も設備水準も違います。地価の5.2%も市全体の平均で、大久保・西明石周辺のように伸びが大きい地区もあれば、そうでない地区もあります。
それでも、「上がっているから待てば得」という単純な話ではないことは、はっきり言えます。

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比率で決まります。
待つ意味があるのは、土地の比重が大きい方です。
- 土地が広い(150㎡以上)
- 建物がすでに築40年以上で、これ以上大きくは下がらない
- 大久保・西明石周辺など、地価の伸びが大きい地区にある
- 更地・古家付き土地として売る前提
この条件なら、値上がりのほうが目減りを上回る可能性があります。
待つ意味が薄いのは、建物の比重が大きい方です。
- 築10〜25年で、建物にまだ価値が残っている
- 土地が100㎡未満
- マンション(土地の持分が小さく、地価上昇の恩恵がほとんど届きません)
特にマンションは注意してください。明石市の中古マンション580件のうち、1981〜2000年に建った物件が313件——全体の54%を占めます。中央値1,300万円。この帯は今後さらに厚くなります。地価が上がっても、同じ年代の売り物が増えれば、競争は激しくなります。
もう一つ、忘れられがちな要素
明石市の戸建で、2011年以降に建った物件は261件。591件の44%です。新しい家が、たくさん供給されている市場だということです。
中古の家は、この新しい供給と並べて比較されます。人口が増えている=買い手が多い、というのは事実ですが、同時に売り手も多い。買い手の増加が価格を押し上げる力と、供給の増加が価格を抑える力は、同時に働いています。
やってはいけないこと
ひとつめ。「9年連続上昇」を、来年も上がる保証だと考える。過去の推移は将来を約束しません。金利、人口動態、施策の変更で流れは変わります。
ふたつめ。待つと決めたのに、査定を取らない。待つのは判断です。判断には基準が要ります。いまの金額を知らずに待っても、1年後に「上がったのか下がったのか」がわかりません。
みっつめ。地価上昇を理由に、相場より高い価格で売り出す。売り出し価格が相場から離れると、問い合わせがもっとも多い最初の3週間を空振りで使います。結果として、値下げしてから売ることになり、待った意味が消えます。
まずやること
- 土地面積を確認する(登記事項証明書または固定資産税の課税明細書)
- 建築年を確認する
- いまの査定額を取る(待つと決めていても、基準として必要です)
- 査定額のうち、土地部分と建物部分がいくらかを聞く
- 土地の比重が6割を大きく超えるなら、待つ判断に根拠が出ます
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで明石市全体の中央値です。同じ市のなかでも、地区・築年・土地面積・駅距離で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。土地部分と建物部分の内訳もあわせてご説明します。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。売却を決めていない段階でのご相談も承っています。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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