淡路市の家は誰が買うのですか?買い手は島の外にいます

淡路市で家を売ろうとするとき、多くの方が最初に思い浮かべるのは「島の中で、誰か買ってくれる人はいないか」です。近所の方、親戚、知り合いの知り合い。
ですが、データを見るかぎり、買い手の多くは島の外にいます。そして、そのことを前提に売り方を組み立てるかどうかで、結果が大きく変わります。
淡路市の市場は、他のどことも違います
直近1年、淡路市の成約は103件。兵庫県内19の市区でもっとも少ない数字です。西宮市2,069件、尼崎市1,846件と比べると、20分の1の規模になります。
そして、内訳が特徴的です。
- 更地(土地のみ)——44件
- 戸建(土地と建物)——35件
- 農地——14件
- 林地——8件
- 中古マンション——2件
更地の成約が、戸建より多い。この構造は、県内19市区で淡路市だけです。他のすべての市区では、戸建のほうが多くなります。
さらに、農地14件と林地8件を合わせると22件——全体の21%が農地・林地です。姫路市(農地24件・林地9件、合計は全体の2.0%)と比べれば、その比重の違いは明らかです。

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この構造が意味すること
更地が戸建より多く売れているということは、買い手が「建物」ではなく「土地」を探しているということです。
実務で見えている買い手の層は、こうなります。
- 移住・二拠点生活を考えている方——神戸から明石海峡大橋を渡って1時間圏。大阪からでも1時間半程度です
- 別荘・週末利用の方——海が見える立地に強い需要があります
- 事業者——宿泊施設、飲食、農業関連
- 島内の実需——ただし人口減少局面にあり、数は限られます
最初の3つは、いずれも島の外にいます。そして彼らは、現地を見る前にインターネットで判断を始めます。
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島外の買主は、気軽には見に来られません。「行ってみようか」と思わせる材料を、画面の中で完結させる必要があります。
実際に効く項目を挙げます。
- 海が見えるか、どこから見えるか——リビングから、2階から、庭から。見えるなら、それがいちばんの資産です
- 晴れた日の午前中に撮った外観と眺望——曇りの写真は、それだけで問い合わせが減ります
- 周辺の風景——建物だけでなく、道路、海岸、集落の様子。買主は「暮らし」を想像しています
- インフラの状況——上下水道か浄化槽か、都市ガスかプロパンか、光回線が来ているか。移住検討者はここを必ず確認します
- 車での所要時間——最寄りのスーパー、病院、高速インターチェンジ、明石海峡大橋まで
- 敷地の全体像——広いほど、図面と航空写真の両方があると理解が早い
淡路市の更地の面積の中央値は285㎡。19市区でもっとも広く、三田市225㎡、姫路市210㎡を上回ります。1㎡あたり単価は約2.3万円で、こちらは県内最安です。285㎡でも土地代は約656万円の計算になります。

戸建35件の中央値は1,900万円、土地面積170㎡、建築年1997年。ただし35件という件数では、中央値は数件の入れ替わりで大きく動きます。この数字を自宅の目安とするのは危険です。

売り出す前に、必ず確認すること
1. 登記地目。敷地や隣接地に「田」「畑」「山林」が混じっていないか。混じっていれば農地法の手続きが必要で、市街化調整区域なら転用に許可が要ります。淡路市は農地14件・林地8件が取引されている地域です。他人事ではありません。
2. 境界。広い土地ほど、境界が曖昧なまま長年経っていることがあります。285㎡クラスでは、確定測量に時間がかかります。早めに着手してください。
3. 接道と道路の種別。私道か公道か、幅員は何mか。建て替えができない土地は、移住検討者にとって選択肢から外れます。
4. 上下水道と浄化槽。浄化槽の場合は、種類(合併か単独か)と設置年、保守点検の記録。単独浄化槽は、移住検討者から敬遠されることがあります。
やってはいけないこと
ひとつめ。島内の知り合いだけに声をかけて終わる。買い手の多くは島の外にいます。情報が島の外に出ていないと、そもそも見つけてもらえません。インターネット掲載を前提にしてください。
ふたつめ。「103件しか売れていないから、売れない」と諦める。103件は市場が小さいという事実であって、あなたの家が売れないという意味ではありません。更地44件、戸建35件が現に成約しています。
みっつめ。地元の相場観だけで価格を決める。島の外の買主は、神戸や大阪の価格と比べて「安い」と感じて来ます。逆に、島内の感覚だけで値付けすると、機会を逃すことも、高すぎて動かないこともあります。両方の目線を持っている会社に相談してください。
まずやること
- 登記事項証明書を取り、地目と面積を確認する(隣接地も含めて)
- 上下水道・浄化槽・ガス・光回線の状況を書き出す
- 晴れた日の午前中に、外観・眺望・周辺の写真を撮る
- 最寄りのスーパー、病院、高速インターまでの車の所要時間を測る
- 島外にも情報が届く形で売り出せるかを、依頼先に確認する
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで淡路市全体の中央値です。件数が少ないため中央値は振れやすく、眺望・接道・インフラの条件で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。神戸に本店を置く立場から、島外の買主目線でのご提案も承ります。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。売却を決めていない段階でのご相談も承っています。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。淡路市は成約価格情報の登録が直近で1件のみのため、この記事の数字は実質的に不動産取引価格情報に基づきます。
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