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淡路市

淡路市の家は、どれくらいの期間で売れますか?

2026.09.04
淡路市の風景

売り出して3か月、内見は1件だけ。担当者は「淡路はこんなものです」と言う。本当にそうなのか、それとも何かがおかしいのか。

淡路市でご相談を受けるとき、この判断がいちばん難しい。期待する速さが、そもそも他の地域と違うからです。

まず、この市がどれくらいの規模の市場なのかを、数字で確定させます。

淡路市は、月8.6件しか動きません

直近1年の淡路市の成約は103件。兵庫県内19の市区でもっとも少ない数字です。月にならすと約8.6件。3か月では約26件にしかなりません。

比較すると、西宮市は月172件、尼崎市は月154件、姫路市は月135件。淡路市は西宮市の20分の1です。

淡路市と他市の月あたり成約件数を比較した表
図解① 月あたりの成約件数の比較(直近1年)。出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)をもとに株式会社Estate&Co.作成

種別で分けると、もっとはっきりします。

  • 更地(土地のみ)——44件(月3.7件)
  • 戸建(土地と建物)——35件(月2.9件)
  • 農地——14件(月1.2件)
  • 林地——8件(月0.7件)
  • 中古マンション——2件(年2件)

戸建をお持ちなら、市全体で月に3件しか成約していない市場で売っているということです。3か月で約9件。その9件のうちの1件になれなかった、というのが「3か月売れない」の実態です。

これは異常ではありません。淡路市では、それが普通です。

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ただし、確認すべきことはあります

「普通です」で終わらせないでください。市場が薄いからこそ、少ない機会を確実に拾う必要があります。

① 買い手は島の外にいます。淡路市で更地44件が戸建35件を上回るのは、県内19市区で淡路市だけです。買い手は建物ではなく土地を探しています。移住、二拠点、別荘、事業。いずれも島外の方です。島内の知り合いだけに声をかけて終わっていませんか。

② 写真が足りていませんか。島外の買い手は、気軽に見に来られません。画面の中で「行ってみよう」と思わせる必要があります。晴れた日の午前中に撮った外観・眺望・周辺の風景。海が見えるなら、どこから見えるか。

③ インフラの情報が書かれていますか。上下水道か浄化槽か(浄化槽なら合併か単独か、設置年)、都市ガスかプロパンか、光回線は来ているか。移住検討者は必ずここを見ます。書いていなければ、問い合わせの前に候補から外れます。

④ 地目を確認しましたか。淡路市は農地14件・林地8件が取引されており、全体の21%を占めます。敷地や隣接地に「田」「畑」「山林」が混じっていれば、農地法の手続きが必要です。買い手にとっては大きな不確実性になります。

⑤ 車での所要時間を書いていますか。最寄りのスーパー、病院、高速インターチェンジ、明石海峡大橋まで。島外の買い手が知りたいのは「神戸まで何分か」です。

淡路市岩屋の街並みと明石海峡
岩屋の街並み(淡路市)。写真:Seko Naotomo/Wikimedia Commons(CC BY 3.0)

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淡路市の戸建と更地の成約中央値、面積、単価を示した表
図解② 淡路市・戸建と更地の成約中央値(直近1年)。件数が少ないため中央値は振れやすい点にご留意ください。出典:国土交通省 不動産情報ライブラリをもとに株式会社Estate&Co.作成

戸建35件の中央値は1,900万円(土地170㎡・築1997年)、更地44件の中央値は645万円(285㎡)。更地の1㎡あたり単価は約2.3万円で、これは県内最安です。姫路市5.7万円の4割ほど。

面積285㎡は県内最大。広さは十分にあるが、単価が低い。285㎡でも土地代は約656万円の計算です。

ここで正直に申し上げます。戸建35件という件数では、中央値は数件の入れ替わりで大きく動きます。この1,900万円をご自宅の目安にするのは危険です。個別の条件——海が見えるか、接道はどうか、インフラは整っているか——で、実勢は大きく変わります。

やってはいけないこと

ひとつめ。「3か月売れないから値下げ」と短絡する。月2.9件しか動かない市場です。3か月は、統計的には短い期間です。下げる前に、島外に情報が届いているかを確認してください。

ふたつめ。「淡路はこんなもの」で思考を止める。市場が薄いのは事実ですが、44件の更地と35件の戸建は現に成約しています。売れている物件と、自分の物件の違いを探してください。

みっつめ。島内の相場観だけで価格を決める。島外の買い手は、神戸や大阪の価格と比べて判断します。島内の感覚だけで値付けすると、機会を逃すことも、高すぎて動かないこともあります。両方の目線を持つ会社に相談してください。

まずやること

  • ポータルサイトで、自分の物件が島外からも見つかる形で掲載されているか確認する
  • 掲載写真の枚数を数える(外観・眺望・周辺・室内)
  • 上下水道・浄化槽・ガス・光回線の状況を書き出し、募集図面に載せてもらう
  • 登記事項証明書で地目を確認する(隣接地も含めて)
  • 最寄りのスーパー・病院・高速インターまでの車の所要時間を測る
  • 晴れた日の午前中に、写真を撮り直す

ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか

ここまでの数字は、あくまで淡路市全体の中央値です。件数が少ないため中央値は振れやすく、眺望・接道・インフラの条件で価格は大きく変わります。

株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。神戸に本店を置く立場から、島外の買主目線でのご提案も承ります。

「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。

この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)

この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。淡路市は成約価格情報の登録が直近で1件のみのため、この記事の数字は実質的に不動産取引価格情報に基づきます。

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