淡路市の土地に100万円控除を使う前に|都市計画区域の外なら、そもそも対象外です

淡路市で「売れない」とご相談いただく土地には、共通する特徴があります。広いのに、安い。
斗ノ内の土地160㎡が10万円。野島常盤の土地が20万円。谷の土地が160万円。草香北が200万円。淡路市の土地の中央値は面積285㎡・総額645万円、1㎡あたり2.3万円です。
この価格帯には、他ではまず出番のない控除があります。低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除──最大100万円です。そして令和8年度税制改正で、期限が令和10年12月31日まで3年延長されました。
ただし淡路市では、この制度を使う前に確認すべきことが2つあります。区域区分と、地目です。
制度の中身と、淡路市での上限額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 控除額 | 最大100万円(譲渡益が限度) |
| 対象 | 都市計画区域内にある一定の低未利用土地等 |
| 所有期間 | 売った年の1月1日で5年超 |
| 譲渡価額 | 500万円以下(市街化区域、用途地域が定められている区域、所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域内は800万円以下) |
| 買主との関係 | 親子や夫婦など「特別な関係」でないこと |
| 譲渡後 | 利用が見込まれること |
| その他 | 前年・前々年に分筆した土地でこの特例を受けていないこと/他の譲渡所得の特例の適用を受けないこと |
| 適用期限 | 令和10年12月31日(令和8年度税制改正で3年延長) |
確認その1:都市計画区域の内か外か
この特例は「都市計画区域内」の土地が対象です。ここが淡路市でいちばんの分かれ目になります。
淡路市は島全体が均一ではなく、地域によって都市計画上の扱いが異なります。ご自身の土地が都市計画区域の内か外か、また区域内であれば市街化区域なのか用途地域が定められた区域なのかで、500万円枠か800万円枠かも変わります。
これは登記事項証明書ではわかりません。淡路市の都市計画担当窓口で確認してください。都市計画図の閲覧や証明書の発行で判断できます。売り出す前の最初の一手として、ここを押さえておくと後の判断が速くなります。
確認その2:地目が農地なら、この特例ではありません
淡路市の直近1年の取引103件のうち、農地が14件、林地が8件あります。これらは低未利用土地等の控除とは別の枠組みになります。
| 売るもの | 使える可能性のある控除 | 控除額 |
|---|---|---|
| 宅地(低未利用土地等に該当) | 低未利用土地等の特別控除 | 100万円 |
| 農地(農業委員会のあっせん等による譲渡) | 農地保有の合理化等のための特別控除 | 800万円 |
| 山林の立木 | 山林所得の特別控除 | 50万円 |
農地には800万円の枠があります。ただし農業委員会のあっせんや農地中間管理機構への譲渡など、法律に定められた形での譲渡が要件で、一般の買主への相対売買では使えません。「うちの土地は畑だから100万円控除」ではなく、まず地目を確認してください。
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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
税額でいくら変わるか
前提:釜口の土地を580万円で売却(市街化区域等で800万円枠に該当する場合)。所有期間5年超、購入時の契約書はなく取得費は売却価格の5%。仲介手数料は800万円以下の特例により税込33万円、印紙税5,000円。
| 項目 | 控除なし | 100万円控除あり |
|---|---|---|
| 売却価格 | 580万円 | 580万円 |
| 取得費(概算5%) | 29万円 | 29万円 |
| 譲渡費用 | 33.5万円 | 33.5万円 |
| 譲渡所得 | 517.5万円 | 517.5万円 |
| 低未利用土地等の特別控除 | — | ▲100万円 |
| 課税譲渡所得 | 517.5万円 | 417.5万円 |
| 譲渡所得税・住民税 | 約105.1万円 | 約84.8万円 |
差は約20.3万円。控除額100万円に長期譲渡20.315%を掛けた額で、これが上限です。
ただし正直に申し上げると、10万円・20万円といった取引では効果はほとんどありません。控除額は譲渡益が限度ですので、譲渡所得が数万円しかなければ税額もその範囲です。この制度が効くのは、おおむね譲渡所得が100万円を超える取引──売却価格でいえば150万円以上が目安になります。
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確定申告書には市区町村長の確認書類を添付します。記載が必要なのは、土地の所在地、低未利用土地等に該当すること、所有期間、譲渡前の利用状況、譲渡後の利用見込み、分筆の有無です。
淡路市で難しくなるのが、「譲渡後の利用見込み」です。
当社が集計した淡路市の取引では、買主が島外の方であるケースが目立ちます。別荘用地、将来の移住用、あるいは隣地の買い増し。「すぐには使わないが、押さえておきたい」という購入動機だと、利用見込みが立たず確認書が出ないことがあります。
対策は1つです。売買契約の段階で、買主の利用目的を書面に残しておいてください。「取得後に住宅を建築する予定」「農園として利用する予定」といった具体性があれば、確認書の申請がスムーズになります。買主に協力をお願いすることになりますので、契約条件を詰める段階で話を通しておくのが現実的です。
買主が島外にいる構造については買い手が島の外にいる、ということ(淡路市)で扱っています。
そもそも成立しない価格帯があります
ここは制度の話とは別に、お伝えしておくべきことです。
令和6年7月1日施行の報酬告示改正により、売買価格800万円以下の物件は仲介手数料の上限が税込33万円まで認められるようになりました。ところが10万円の土地では、この33万円が売買価格の3.3倍になります。20万円なら1.65倍。この価格帯では、仲介という枠組み自体が成り立ちません。
数十万円以下の土地については、次を先に検討する価値があります。
- 隣地の所有者に直接打診する——隣地取得は買主にとって価値が高く、市場価格より高く成立することがあります
- 淡路市の空き家バンクを使う——仲介手数料の負担を抑えられる場合があります
- 相続土地国庫帰属制度を確認する——相続等により取得した土地を国に引き取ってもらえる制度です。建物がないことなどの要件があり、審査手数料と負担金がかかります。要件と金額は法務局にご確認ください
100万円控除を使うために無理に仲介で売る、という判断は合理的ではありません。控除の効果は最大20.3万円ですので、手数料や手続きの負担と必ず比べてください。
令和10年12月31日まで
この特例は、もともと令和2年7月1日から令和7年12月31日までの譲渡が対象でした。国土交通省「令和8年度税制改正概要」では「現行の特例措置を3年間(令和8年1月1日〜令和10年12月31日)延長する」とされています。
なお、国税庁タックスアンサーの本記事執筆時点の記載は「令和7年12月31日まで」のままです。申告の際は最新のタックスアンサーおよび所轄税務署・税理士にご確認ください。
淡路市は取引件数そのものが193件から103件へ約47%減っており、買主を見つけるまでの期間が読みにくい市場です。確認書の取得にも時間がかかることを考えると、期限からの逆算では遅くなります。売ると決めた時点で動き始めてください。
よくある質問
Q. 淡路市の安い土地に使える控除はありますか?
A. 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除があり、長期譲渡所得から最大100万円を控除できます。税額では最大約20.3万円です。ただし対象は都市計画区域内の土地に限られますので、まずご自身の土地が都市計画区域の内か外かを淡路市の都市計画担当窓口でご確認ください。区域内であれば、市街化区域や用途地域が定められた区域かどうかで譲渡価額の上限が500万円か800万円かも変わります。
Q. 畑にも使えますか?
A. 農地には別の枠組みがあります。農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円特別控除ですが、農業委員会のあっせんや農地中間管理機構への譲渡など法律に定められた形での譲渡が要件で、一般の買主への相対売買では使えません。まず地目を確認してください。山林の立木部分については山林所得となり、最高50万円の特別控除と5分5乗方式が適用されます。
Q. 買主が「すぐには使わない」と言っています
A. 確認書に「譲渡後の利用見込み」の記載が必要ですので、そのままでは出ないことがあります。売買契約の段階で買主の利用目的を書面に残しておいてください。「取得後に住宅を建築する予定」「農園として利用する予定」といった具体性があれば申請がスムーズになります。買主の協力が必要になりますので、契約条件を詰める段階で話を通しておくことをおすすめします。
Q. 10万円の土地でも使う価値はありますか?
A. ほとんどありません。控除額は譲渡益が限度ですので、譲渡所得が数万円しかなければ税額もその範囲です。この制度が効くのは、おおむね譲渡所得が100万円を超える取引──売却価格でいえば150万円以上が目安です。加えて10万円の土地では仲介手数料の特例上限33万円が売買価格の3.3倍になり、仲介という枠組み自体が成り立ちません。隣地所有者への直接打診、空き家バンク、相続土地国庫帰属制度(要件と費用は法務局にご確認ください)を先に検討する価値があります。
Q. 期限はいつまでですか?
A. 令和10年12月31日までの譲渡が対象です。国土交通省「令和8年度税制改正概要」に「現行の特例措置を3年間(令和8年1月1日〜令和10年12月31日)延長する」と記載されています。淡路市は取引件数が4年で約47%減っており買主が見つかるまでの期間が読みにくいため、期限から逆算するのではなく、売ると決めた時点で動き始めてください。
まとめ
- まず都市計画区域の内か外か——区域外なら、この控除は使えません。市の窓口で確認を
- 次に地目——農地は800万円枠、山林の立木は山林所得。宅地とは別の制度です
- 効果は最大20.3万円——売却価格150万円以上が目安。それ以下では割に合いません
- 確認書は買主の利用目的次第——契約段階で書面に残しておいてください
- 期限は令和10年12月31日——ただし淡路市は成約までの期間が読めません。逆算では遅くなります
淡路市の相場データは淡路市の不動産売却のページで、地区別・種別に公開しています。費用と税金の全体像は淡路市の不動産売却にかかる費用と税金、土地の面積と単価の関係は950㎡の土地は、㎡単価が4分の1になるをご覧ください。
査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「うちの土地が都市計画区域内かどうか」を調べるところからのご相談でも構いません。
出典:取引データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計。税制は国税庁タックスアンサーNo.1480・No.3223・No.3226(低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除)・No.3302、および令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)・国土交通省「令和8年度税制改正概要」。仲介手数料の特例は令和6年7月1日施行の報酬告示改正による。都市計画区域の区分および低未利用土地等の該当判定・確認書の様式は淡路市にご確認ください。相続土地国庫帰属制度の要件・費用は法務局にご確認ください。掲載の税額はいずれも一定の前提を置いた試算です。最終的な判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。淡路市は成約価格情報の登録が直近で1件のみのため、この記事の数字は実質的に不動産取引価格情報に基づきます。
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