【2026年最新】三宮に新しいマンションは建つのか?2020年から続く住宅規制のいま

神戸市中央区でマンションの売却を考えるとき、多くの方が見落としている前提があります。三宮駅を中心とした商業地域では、2020年7月1日から住宅を新しく建てることが原則としてできません。
これは神戸市が定めた特別用途地区「都心機能誘導地区」による制限です。2019年3月5日に都市計画決定され、2020年7月1日から制限が始まっています。都心に業務・商業機能を集めるための施策で、いわゆる「タワマン規制」として報じられたものです。
売主の側から見ると、これは単なる規制の話ではありません。三宮の徒歩圏で新しい住宅が増えないということは、いま建っているマンションが置き換えられないということです。
この記事では、制度の内容を神戸市の資料にもとづいて正確に整理したうえで、それが実際の成約価格にどう表れているかを、国土交通省の成約価格情報581件で検証します。
三宮駅前では、住宅の新築ができないというのは本当ですか?
結論:都心機能高度集積地区の中では、住宅等の建築が原則として禁止されています。ただし中央区全域ではありません。

制限は2種類に分かれます。
- 都心機能高度集積地区では、住宅等は建築してはならないと定められています(市長の許可がある場合を除く)。敷地面積の大小を問わず適用されます。
- 都心機能活性化地区では、住宅等の用途に供する部分の容積率が10分の40(400%)を超える建築物は建築できません。こちらは敷地面積1,000㎡以上の場合に適用され、1,000㎡未満なら適用外です。
ここでいう「住宅等」には、住宅・兼用住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿のほか、老人ホーム・福祉ホームその他これらに類するものが含まれます。
なお、区域の正確な範囲は神戸市の都市計画情報で確認する必要があります。ご自宅がどちらの地区に入るか(あるいは対象外か)は、住所によって変わります。この記事の内容を、ご自宅にそのまま当てはめないでください。
神戸市中央区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
いま持っているマンションは、建て替えられますか?
結論:建て替えはできます。ただし住宅部分の床面積を増やす建て替えはできません。

神戸市の資料によれば、基準時(2020年7月1日)に存在していた建築物については、次の扱いになります。
- 建替:除却したあと、住宅等の用途に供する部分の床面積の合計が基準時より増加しないこと
- 増築・改築:現行の建築基準法に適合し、床面積が基準時の1.2倍以下で、用途の変更がないこと
- 大規模の修繕・模様替:用途の変更がなければ可能
ここが売主にとって重要な点です。老朽化したマンションを建て替えるとき、通常は「戸数を増やして、増えた分の分譲代金で建築費を賄う」という進め方が取られます。ところが住宅部分の床面積を増やせないなら、その手法が使えません。
つまり三宮の徒歩圏では、既存のマンションが建て替えによって置き換わる速度も、制度的に抑えられています。
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10秒LINE査定 → 今いくら?がすぐわかるこの規制は、中古マンションの価格に表れていますか?
結論:築1991年以降の物件には、はっきり表れています。ただし全部ではありません。

国土交通省の成約価格情報から、2025年4月〜2026年3月に中央区で成約した中古マンション581件を当社で集計し、4年前(2021年4月〜2022年3月・493件)と比べました。
築2011〜2020年が+22.1%、築2001〜2010年が+22.6%、築1991〜2000年が+22.3%。3つの築年帯が揃って+22%台で上がっています。区全体では+12.8%です。
ただし、これを「規制のおかげで上がった」と断定することはできません。同じ4年間に、全国的にマンション価格は上昇しています。規制が価格を押し上げた度合いを、当社が持つ成約データだけから切り分けることは不可能です。この点は正直に申し上げます。
言えるのは次のことです。三宮の徒歩圏で住宅が増えない構造は、少なくとも中古マンションの売主にとって不利には働かない。そして実際に、築1991年以降の物件は区全体を上回るペースで上がっています。
それでも下がっている層があるのはなぜですか?
結論:築1981〜1990年の133件だけが▲3.3%で、1980年以前築と同じ㎡単価26.7万円まで並びました。供給が制限されていても、すべての中古が上がるわけではありません。
この帯の成約件数は、4年前の90件から133件へ+47.8%増えています。市場に出る数が増えながら価格は下がっている。売主にとって最も避けたい組み合わせです。
ここから読み取るべきことは、「新築が建たないから、古くても価値が上がる」という単純な話ではないということです。買主が見ているのは希少性だけではなく、住宅ローンの通りやすさ、設備更新の要否、管理費・修繕積立金の水準といった具体的な条件です。
三宮徒歩圏という立地の希少性が効いているのは、その条件をクリアしている物件だという理解が実態に近いと考えています。
同じ中央区でも、駅によって差はありますか?
結論:あります。三ノ宮(JR)が+33.0%である一方、新神戸は+1.4%でした。

三ノ宮(JR)127件は54.5万円から72.5万円へ、神戸(JR)61件は63.3万円から84.0万円へ。いずれも建築年の中央値がほとんど変わっていないため、売れた物件の入れ替わりでは説明しにくい上昇です。
一方、新神戸57件は48.6万円から49.3万円へ+1.4%。建築年の中央値は2001年から1998年で、こちらもほぼ変わっていません。同じ区の中で、条件が変わらないまま上がった駅と上がらなかった駅が並んでいます。
理由については、当社のデータからは特定できません。ただ売主として押さえておくべきなのは、「中央区だから上がっている」という一般化が、実際には成り立っていないという事実のほうです。
売主として、この情報をどう使えばいいですか?
結論:買主への説明材料として使えます。ただし価格の根拠として使うには、条件を絞る必要があります。
- ①ご自宅の所在地が、どの地区に入るかを確認する。神戸市の都市計画情報で調べられます。高度集積地区の中にあるのか、活性化地区なのか、対象外なのかで、話の内容が変わります。
- ②高度集積地区の中なら、「この立地に新しい住宅は建たない」は事実として伝えられる。買主にとっては、周辺に競合する新築が出てこないという意味を持ちます。
- ③ただし築1981〜1990年なら、希少性だけでは支えられない。この帯は下がっています。管理状況・修繕履歴・設備更新といった具体的な条件を揃えることが先です。
- ④駅ごとの実勢を確認する。三ノ宮+33.0%と新神戸+1.4%では、想定すべき価格の伸びがまったく違います。
当社は売主側だけの立場で売却をお手伝いする専門店です。買主を自社で抱えて両手仲介を狙う必要がないため、囲い込みをせず、他社の買主にも広く物件を開きます。
よくある質問
神戸市のタワマン規制とは何ですか?
正式には特別用途地区「都心機能誘導地区」です。2019年3月5日に都市計画決定され、2020年7月1日から制限が始まりました。都心機能高度集積地区では住宅等の建築が原則禁止(市長の許可がある場合を除く)、都心機能活性化地区では敷地面積1,000㎡以上の場合に住宅部分の容積率が400%に制限されます。対象区域は三宮駅を中心とした商業地域で、正確な範囲は神戸市の都市計画情報で確認できます。
規制されている地区のマンションは、建て替えができないのですか?
建て替え自体は可能です。ただし基準時(2020年7月1日)の建築物を除却したあと、住宅等の用途に供する部分の床面積の合計が基準時より増加しないことが条件になります。増築・改築は、現行の建築基準法に適合し、床面積が基準時の1.2倍以下で用途変更がない場合に可能です。詳細は神戸市の資料と、個別の建築確認でご確認ください。
この規制があると、中古マンションは高く売れるのですか?
中央区の直近1年の成約では、築1991〜2020年の3つの築年帯がいずれも+22%台で上がっています(区全体は+12.8%)。ただし同じ期間に全国的にもマンション価格は上昇しており、規制の寄与分を成約データから切り分けることはできません。また築1981〜1990年の133件は▲3.3%と下がっており、すべての中古が上がっているわけではありません。
自分のマンションが対象区域かどうかは、どこで調べられますか?
神戸市の都市計画情報で確認できます。区域は住所によって分かれており、中央区であれば必ず対象になるというものではありません。当社にご相談いただければ、あわせて確認いたします。
査定はどのようなデータを使うのですか?
国土交通省の不動産情報ライブラリで公開されている成約価格情報をもとに、駅別・築年別・面積別に集計したうえで、ご自宅と条件の近い成約事例を抽出してご説明します。あわせて用途地域や都心機能誘導地区の該当有無、現地確認、現在売出中の競合物件の状況を踏まえて価格帯をご提示します。査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。
この記事で使ったデータの出典
- 神戸市「特別用途地区 都心機能誘導地区」および「都心機能誘導地区 制限概要」(https://www.city.kobe.lg.jp/)※2026年8月時点で公開されている内容にもとづきます
- 出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)「成約価格情報」(兵庫県神戸市中央区/中古マンション等、2025年4月〜2026年3月の581件、2021年4月〜2022年3月の493件)をもとに株式会社Estate&Co.作成
- ㎡単価は各成約の取引総額を専有面積で割って物件ごとに算出し、その中央値を用いています
- 駅別は、両期間とも成約が9件以上あった区分のみを掲載しています
※本記事は制度の概要を整理したものであり、個別の建築可否を判断するものではありません。実際の計画は神戸市の窓口および建築士にご確認ください。※制度は改正される場合があります。※成約データは四半期ごとに更新されます。
私たちは神戸市中央区京町に本店を置く、兵庫県の不動産売却専門店です。ご自宅が都心機能誘導地区に該当するかどうかの確認も含めて、条件をそろえた成約事例でご説明します。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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