兵庫区のマンション、その査定額で本当に売れますか?実際に届いた上限は2,091万円

査定書が3通、手元にあるとします。1,156万円、1,256万円、1,388万円。——どうしても、いちばん上の1通に目がいきます。
ここで一度だけ、立ち止まっていただきたいのです。その金額で、実際に売れた物件はあるのか。
兵庫区のマンションで、築1985〜1989年・60㎡未満という条件をそろえた12件。そのうち中央値を超えて決まったのは半分、上位25%の25.1万円/㎡を超えて決まったのは3件です。いちばん高い1件で41.8万円/㎡。ここが、この条件で実際に届いた上限でした。
この記事で書くのは、この一点だけです。査定額の高さと、成約価格の高さは別のものである。上限がどこにあり、そこを超えた値段をつけると何が起きるかを、順に見ていきます。
兵庫区で、実際に届いた上限はここでした
兵庫区で取引されたマンションを「築年5年刻み × 専有面積帯」で分け、10件以上あるグループのうち最も件数の多い築1985〜1989年・60㎡未満の12件を並べます。専有面積の中央値は50.0㎡でした。
| 単価 | 50.0㎡で換算した総額 | 12件のうち | |
|---|---|---|---|
| 中央値 | 23.1万円/㎡ | 1,156万円 | ちょうど半分 |
| 上位25% | 25.1万円/㎡ | 1,256万円 | 3件がここを超えた |
| 上位10% | 27.8万円/㎡ | 1,388万円 | 1件前後 |
| 最高値 | 41.8万円/㎡ | 2,091万円 | 1件 |
ご覧のとおり、上限は存在します。そして2,091万円は、12件のうちたった1件が届いた数字です。この1件には、この1件だけの理由があります。最上階だった、二重サッシで角部屋だった、直前に水回りを全面改装していた。理由がないまま2,091万円という数字だけを置くと、根拠のない売り出し価格になります。
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約価格)。集計期間は2025年4月〜2026年3月。築10〜40年に限り(新築の分譲は除外)、築年5年帯と面積帯をそろえて10件以上あるグループのみを対象にしました。
神戸市兵庫区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の成約データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。売ると決めていない段階、何から手をつければよいか分からない段階のご相談も歓迎します。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
上限を超えた値段で売り出すと、何が起きるか
「高く出しておいて、売れなければ下げればいい」。よく聞く考え方です。ところが実務では、下げてからのほうが不利になります。理由は3つあります。
1段目:最初の3週間で、会える買主の数が決まる
買主は不動産ポータルサイトで、価格帯を指定して物件を探します。中央値なら1,156万円の物件を2,091万円で売り出すと、いくつも上の価格帯の一覧に並びます。そこで比較される相手は、もっと広い物件、もっと新しい物件です。同時に、本来の価格帯で探している買主の一覧からは消えます。新着として通知が飛ぶのも、登録直後の数日だけです。
2段目:掲載が長くなると、値段ではなく物件が疑われる
当社の見方
掲載開始から3か月が過ぎた物件には、買主から「なぜ売れていないのか」という問いが必ずつきます。実際には値段だけの問題であっても、買主は「何か知らされていない事情があるのではないか」と考えます。ここから先は、値段を下げても疑いのほうが先に立ちます。これは当社が現場で繰り返し見てきたことで、統計で示せる数字ではありません。
3段目:値下げの回数が、交渉の主導権を移す
当社の見方
1回目の値下げは「売主が本気になった」と受け取られます。2回目からは「待てばもっと下がる」と受け取られます。買主が待つ理由を作ってしまうと、価格交渉は買主の側が握ります。結果として、最初から中央値付近で出したときより低い金額で着地する。この順序を避けることが、上限を正しく見積もる目的です。
読みながら、今の価格だけ先に知る。
10秒LINE査定 → 今いくら?がすぐわかる高い査定額に、根拠がある場合もあります
ここまで読むと「高い査定額はすべて危ない」と聞こえるはずですが、そうではありません。上位25%を超えて決まった3件は、実在する取引です。お部屋がその3件の側にいるなら、中央値で売り出すほうが損になります。
分かれ目は金額の高さではなく、その金額に説明がついているかどうかです。「相場より強気に出しておきましょう」は説明ではありません。「同じマンションの上層階・角部屋が半年前に25.1万円/㎡で成約しており、お部屋は階数も向きも同条件で、水回りが新しい」——ここまで具体的なら、それは根拠です。
つまり査定額を見るときに確かめるのは金額ではなく、その金額を支えている事例が実在するかということになります。
今日、ひとつだけやるなら
査定書を受け取ったら、金額の横に一言だけ書き足してください。「この金額の根拠になった成約事例を3件見せてください」。メールでも電話でも構いません。
返ってくる答えは3通りに分かれます。成約事例が3件出てくる。売り出し中の物件(成約していない募集価格)が出てくる。事例は出ずに市況の話になる。この3通りのどれが返ってくるかで、2,091万円という数字の重さが決まります。
当社にお声がけいただいた場合は、兵庫区の築1985〜1989年・60㎡未満を含む取引データをそのままお見せします。兵庫区の町丁別・種別ごとのデータは兵庫区の不動産売却にまとめています。
よくある質問
兵庫区で、いちばん高い査定額を出した会社に任せるのは間違いですか?
金額の高さだけで決めることが問題です。兵庫区のマンションのうち築1985〜1989年・60㎡未満の12件では、上位25%の25.1万円/㎡を超えて決まったのは3件、最高値は41.8万円/㎡でした。この上限に近い金額を提示されたときは、その金額を支える成約事例が実在するかを確認してください。事例を3件挙げられる会社であれば、高い金額にも根拠があります。
高く売り出して、売れなければ値下げする方法はうまくいきませんか?
順序が不利になります。売り出し直後の数週間は新着として買主の目に触れる期間で、ここを1つ上の価格帯で過ごすと、本来の価格帯で探している買主の一覧に入りません。掲載が長引いた物件には「なぜ売れていないのか」という問いがつき、値下げを繰り返すと買主が待つ理由を作ります。当社が現場で繰り返し見てきた流れです。
まとめ
兵庫区のマンションは、築1985〜1989年・60㎡未満の12件で最高値が41.8万円/㎡、50.0㎡換算で2,091万円でした。上位25%を超えたのは3件です。上限は実在し、そこに届いた物件には届いた理由があります。
査定額を比べるときに見るのは金額の大小ではなく、その金額を支える成約事例が実在するかどうかです。3件挙げてくださいと伝えるだけで、3社の査定書は並べ替わります。
出典
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」成約価格情報(価格・面積・築年)
単価は価格を面積で割ったものです。同じグループの中でも立地・階数・方位・室内の状態は1件ずつ違います。実際に取引された物件のみの集計で、売却に至らなかった物件は含みません。最高値の1件は個別の条件によるもので、同条件の物件がその価格で取引されることを示すものではありません。
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