伊丹市で相続した家、なぜ売れない?原因は3つ、うち2つは今から直せます

相続した実家を売ろうとして、最初につまずくのが登記です。亡くなった方の名義のままでは、売買契約を結ぶことができません。買主に所有権を移す相手が、法律上まだ存在していないからです。
そして2026年9月現在、期限が迫っています。相続登記は2024年4月1日から義務になり、それ以前に相続した不動産にも適用されます。その経過措置の期限が2027年3月31日。残り約6か月です。正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になります。
伊丹市で成約した戸建351件のうち、昭和56年(1981年)以前に建てられたものが47件(13.4%)。築45年を超える家です。この年代の家は、相続で引き継がれているものが多く、登記が親や祖父母の名義のまま止まっているものが相当数あると考えています。
この記事では、相続した家が売れない原因を3つに分けて、そのうち2つは今からでも直せるということを書きます。
原因① 登記が故人の名義のまま
不動産の売買では、売主が登記名義人であることが前提になります。名義が亡くなった方のままだと、買主も、買主に融資する金融機関も、契約に進めません。これは「売りにくい」ではなく「売れない」です。
相続登記には期限があります。自分のために相続が開始したことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内。遺産分割が成立した場合は、成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記が必要です。
| 期限 | 過料の上限 | |
|---|---|---|
| 相続登記(2024年4月1日以後の相続) | 知った日から3年以内 | 10万円以下 |
| 相続登記(2024年3月31日以前の相続) | 2027年3月31日まで(残り約6か月) | 10万円以下 |
| 住所等の変更登記 | 変更の日から2年以内 | 5万円以下 |
3行目の住所変更登記も2026年4月1日から義務になっています。引っ越したあと登記の住所を変えていない場合、売却時に住所のつながりを証明する書類が必要になり、手続きが一段増えます。
伊丹市のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の成約データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。売ると決めていない段階、何から手をつければよいか分からない段階のご相談も歓迎します。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
原因② 相続人の一人と連絡が取れない、話がまとまらない
相続人が複数いる場合、遺産分割協議がまとまらないと登記が進みません。兄弟の一人が遠方にいる、連絡が取れない、売ること自体に反対している——実務でよく見るのはこのパターンです。
ここで知っておいていただきたい制度があります。相続人申告登記です。期限内に相続登記を申請することが難しいとき、相続人であることを登記官に申し出ると、申請義務を履行したものとみなされます。登録免許税はかからず、相続人が単独で申し出ることができます。
当社の見方
ただし、これで売れるようにはなりません。相続人申告登記は不動産の権利関係を公示するものではないため、売却したり抵当権を設定したりするには、あらためて相続登記が必要です。過料を避ける手当てとしては有効ですが、売却の準備としては一歩目にすぎない、というのが当社の理解です。
読みながら、今の価格だけ先に知る。
10秒LINE査定 → 今いくら?がすぐわかる原因③ 旧耐震のため、買主が住宅ローンを組みにくい
ここが3つ目で、最も価格に効きます。昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた家は、いわゆる旧耐震基準です。伊丹市の旧耐震戸建47件の成約価格の中央値は1,200万円。
買主側の事情はこうです。旧耐震の家は、住宅ローン控除や登録免許税の軽減を受けるために、耐震基準適合証明書などの書類が必要になります。その取得には費用と時間がかかり、耐震性が足りなければ補強工事が要ります。買主にとって手間とコストが増える分、価格に反映されます。
ただし、これは打ち手がある話です。建物を残して売るか、解体して土地として売るか、現況のまま価格で調整するか。どれが有利かは、土地の広さ、接道、建物の傷み方で変わります。
税金は、期限を過ぎると使えなくなるものがある
相続した不動産を売ったときに使える特例は、いずれも期限つきです。
| 特例 | 期限 | 効果 |
|---|---|---|
| 被相続人の居住用財産(空き家)の特別控除 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで かつ2027年12月31日までの譲渡 |
譲渡所得から最高3,000万円 |
| 取得費加算の特例 | 相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで | 相続税の一部を取得費に加算 |
この2つは併用できません。どちらかを選びます。また空き家の特例は、相続した人が3人以上の場合、控除額が2,000万円になります(2024年1月1日以後の譲渡)。「兄弟3人だから3,000万円ずつ」ではありません。
なお、相続した不動産の取得費は、亡くなった方が買ったときの金額と取得時期をそのまま引き継ぎます。相続した日が起点ではないため、古くから持っていた家なら長期譲渡(税率20.315%)になります。購入時の資料が残っていない場合は、売った金額の5%を取得費とすることができます。
順番を間違えないこと
実務での順番は、①相続人と相続財産の確定 → ②遺産分割協議 → ③相続登記 → ④査定 → ⑤売り出しです。ただし④の査定だけは、①〜③と並行して進められます。むしろ先に金額が分かっているほうが、遺産分割の話し合いがまとまりやすいというのが実感です。
「いくらになるか分からないものを、どう分けるか」を話し合うのは難しい。数字が出ていれば、現金で分けて配分するのか、一人が引き継いで他の相続人に代償金を払うのか、判断の土台ができます。金額の目星がつかないまま協議だけを続けて、結局まとまらずに数年が過ぎた、というご相談は少なくありません。
もうひとつ、実務上の注意があります。遺産分割協議には相続人全員の参加が必要です。一人でも欠けた協議は無効になります。相続人の中に認知症の方がいる場合は成年後見人の選任が、未成年の方がいる場合は特別代理人の選任が必要になることがあります。いずれも家庭裁判所の手続きを挟むため、時間がかかります。こうした事情が見込まれるなら、早い段階で司法書士に相談しておくほうが結果的に早く進みます。
出典
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産価格(取引価格・成約価格)情報
- 法務省「相続登記の申請義務化について」「相続人申告登記について」「住所等変更登記の義務化について」
- 国税庁 タックスアンサー No.3306(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例)、No.3267(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)、No.3270(相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期)、No.3258(取得費が分からないとき)
税額は概算です。取得費の資料の有無、所有期間、他の控除の適用で変わります。実際の申告は税務署または税理士にご確認ください。当社は税務代理を行いません。
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約価格)。集計期間は2025年4月〜2026年3月の1年分です。
よくある質問
相続登記をしないまま売ることはできますか。
できません。売買契約の前提として、売主が登記名義人である必要があります。亡くなった方の名義のままでは、買主も金融機関も手続きに進めません。
2024年より前に相続した不動産も、登記の義務がありますか。
あります。2024年4月1日より前に相続が発生していた不動産も義務化の対象で、2027年3月31日までに申請する必要があります。
相続人申告登記をすれば、家を売れますか。
売れません。相続人申告登記は申請義務を履行したとみなされる制度ですが、不動産の権利関係を公示するものではないため、売却には別途相続登記が必要です。
相続人が3人います。空き家の特例は一人3,000万円ずつ使えますか。
使えません。2024年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円になります。
遺産分割がまとまっていませんが、査定だけ受けられますか。
受けられます。むしろ金額が分かっているほうが話し合いはまとまりやすくなります。査定は無料で、売却をお約束いただく必要はありません。
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