加古川市の実家、売る・貸す・解体する。10年後にいちばん残るのはどれですか?

兄弟で話し合っている最中だ、というご相談をよくいただきます。加古川の実家をどうするか。兄は「売ってしまおう」、弟は「貸せば家賃が入るじゃないか」、母は「更地にして置いておけば」と言う。3人とも、もっともなことを言っています。だから決まらない。
決まらない理由は、感情の対立ではなく、比べる土俵がないことです。「売る」は一時金、「貸す」は毎月の収入、「解体して持つ」は将来の期待。単位が違うものを、そのまま並べても比べられません。
そこで、10年という同じ物差しに揃えてみます。加古川市の実際の数字を使います。
前提を先に置きます
モデルにするのは、加古川市でいちばん多い類型——築45年を超えた戸建、土地113㎡です。直近1年、加古川市の戸建成約504件のうち、1980年以前に建った物件は128件、中央値415万円、土地面積の中央値113㎡でした。
更地(土地のみ)は162件、1㎡あたり単価の中央値は約7.4万円。113㎡なら約836万円の計算になります。
この2つの数字が、以下のすべての土台です。

加古川市のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
選択肢① いま売る
古家付きのまま売却。手取りは、成約価格から仲介手数料と登記費用などを引いた金額です。415万円なら、諸費用を差し引いておおむね390万円前後。
いいところ——今日で終わります。以後の固定資産税も、管理の手間も、兄弟間の話し合いも、ここで完結します。
よくないところ——金額としては、3つの中でいちばん小さくなる可能性があります。
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10秒LINE査定 → 今いくら?がすぐわかる選択肢② 貸す
築45年の戸建をそのまま貸すことは、現実にはできません。まず直す必要があります。水まわり、屋根、外壁で、150万〜300万円というのが実務上の目安です。
加古川市の戸建の家賃を月6万円と置き、10年間の収支を組みます。
- 家賃収入 月6万円 × 12か月 × 10年 = 720万円
- 空室期間を2割見込む = 576万円
- 初期リフォーム ▲200万円
- 固定資産税・都市計画税 年8万円 × 10年 = ▲80万円
- 修繕・管理委託費 年10万円 × 10年 = ▲100万円
- 10年の手残り = 約196万円
そして10年後、建物は築55年になっています。そこで売った場合の価格を、いまの415万円より下と見て300万円とすると、合計はおよそ496万円。
いいところ——実家を残せます。空き家として傷むことも避けられます。
よくないところ——10年間、貸主としての責任が続きます。設備が壊れれば直すのは貸主です。入居者が退去しないと売れません。そしてこれは事業です。相続で受け継いだ家を、10年間の事業として運営する覚悟があるかどうかが、実質的な判断基準になります。
選択肢③ 解体して、土地として売る
延床100㎡前後の木造なら、解体費はおおむね100万〜150万円。ここでは120万円とします。
更地単価から計算した土地価格は約836万円。ここから解体費を引くと、約716万円。諸費用を引いておおむね680万円前後です。
古家付きで売った場合(390万円)との差は、約290万円になります。

この試算では、③がもっとも大きくなりました。ただし、ここには加古川市ならではの事情があります。
加古川市は、更地がよく売れる市場です。直近1年の更地成約は162件。戸建504件に対して32%にあたります。神戸市中央区(マンション1,021件に対し更地17件)とは、まったく違う市場構造です。更地にすれば買い手がつく、という前提が成り立つ地域だからこそ、③が有利に出ています。
正直に申し上げると、この試算はいくつもの前提の上に成り立っています。更地として売られる162件は、接道条件のよい土地が中心になりやすく、すべての土地が836万円で売れるわけではありません。前面道路が狭い、旗竿地、再建築不可——こうした条件があれば、③の前提は崩れます。

解体を選ぶなら、税金の話が1つあります
住宅が建っている土地には、固定資産税の住宅用地特例(200㎡までは課税標準6分の1)があります。解体すると、この特例が外れます。判定は毎年1月1日時点です。
したがって「解体してから、しばらく置いておく」がいちばん高くつきます。解体するなら、売る目処が立ってからにしてください。
なお、2023年12月に施行された改正空家法により、「管理不全空家等」として勧告を受けた場合も特例が解除されるようになりました。放置しておけば安いまま、という前提は、もう完全ではありません。
やってはいけないこと
ひとつめ。この記事の数字で結論を出す。ここに書いたのは加古川市全体の中央値からの試算です。ご自宅の接道条件と土地の形で、③の前提はいちばん簡単に崩れます。必ず、古家付きと更地の両方で査定を取ってください。
ふたつめ。「貸す」を収入としてだけ見る。10年間の事業です。入居者対応、修繕、確定申告が発生します。誰がそれを担うのか——兄弟のうち誰か1人に押しつける形になっていないか、先に確認してください。
みっつめ。結論を出さないまま数年置く。これがいちばん多く、いちばん損をします。固定資産税は毎年出ていき、建物は傷み、相続人は増えていきます。3択のどれよりも、「決めない」がいちばん高くつきます。
まずやること
- 前面道路の幅員と間口を測る(③が成立するかの分かれ目です)
- 固定資産税の課税明細書で、土地面積と評価額を確認する
- 古家付き・更地の両方で査定を取る
- 解体業者に現地見積もりを依頼する(無料のところが多くあります)
- 貸す案を検討するなら、誰が管理するかを先に決める
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで加古川市全体の中央値からの試算です。同じ市のなかでも、接道条件・土地の形・築年で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。古家付き・更地の両方での試算も承ります。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。売却を決めていない段階でのご相談も承っています。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。土地の形状・間口は成約価格情報には記録がないため、これらを扱った集計は不動産取引価格情報に基づきます。
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