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川西市

川西市で実家の分け方が決まらないまま10年|「兄は家をもらっている」が言えなくなります

2026.09.06
川西市の風景

川西市で相続した実家について、こういうご相談をいただくことがあります。「兄は家を建てるときに親から2,000万円もらっている。だから実家は自分が多くもらうべきだ」。あるいは「自分が10年間、親の介護をした」。

こうした事情を反映した取り分を具体的相続分といいます。生前の贈与(特別受益)や介護などの貢献(寄与分)を計算に入れた金額です。

ところが令和5年4月1日に施行された民法904条の3により、相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的相続分ではなく、法定相続分(または指定相続分)によることになりました。

つまり10年を過ぎると、「兄は家をもらっている」という主張が通らなくなります。

川西市の価格帯で、いくら変わるか

前提:川西池田の戸建2,900万円と預貯金600万円、合計3,500万円が遺産。相続人は兄と弟の2人。兄は生前に住宅取得資金として1,000万円の贈与を受けている(特別受益にあたるとします)。

— 具体的相続分(10年経過前) 法定相続分(10年経過後) 弟の差
計算の基礎 遺産3,500万円+特別受益1,000万円
=みなし相続財産4,500万円
遺産3,500万円 —
一応の取り分(各2分の1) 2,250万円 1,750万円 —
兄の取り分 1,250万円
2,250万円−特別受益1,000万円
1,750万円 +500万円
弟の取り分 2,250万円 1,750万円 −500万円

10年を過ぎるだけで、弟の取り分が500万円減ります。介護をした側が寄与分を主張していた場合も同じ構図です。

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10年を過ぎても具体的相続分で分けられる2つの例外

法務省の資料には、次の場合には引き続き具体的相続分による分割が可能とされています。

  1. 10年経過前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき
  2. 10年の期間満了前6か月以内に、遺産分割請求をすることができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、当該事由消滅時から6か月経過前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき

実務上の意味は明確です。話し合いがまとまらないまま10年が近づいたら、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てておく。これが具体的相続分を守る唯一の確実な方法です。

なお、施行日(令和5年4月1日)より前に相続が開始していた場合の経過措置については、参照した法務省の資料に記載がなく、正確な期限を確認できていません。該当する可能性がある方は、弁護士または家庭裁判所にご確認ください(推測での日付は記載しません)。

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分割が終わらないと、そもそも売れません

遺産分割が終わっていない不動産は、相続人全員の共有状態です。売却は共有物の「変更」にあたり、民法251条1項により共有者全員の同意が必要です。1人でも反対すれば売れません。

加えて、令和6年4月1日から相続登記が義務化されています。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする必要があり、正当な理由なく怠った場合は10万円以下の範囲内で裁判所において過料が決定されます。令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産については、令和9年3月31日が期限です。

放置した年数 何が起きるか
3年 相続登記の申請義務の期限。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
令和6年4月1日より前に相続を知った場合は令和9年3月31日まで
10年 具体的相続分が使えなくなり、法定相続分での分割になります
その間ずっと 共有者全員の同意がなければ売却できません。固定資産税・管理費はかかり続けます
さらに次の相続が発生すると 共有者が増え、同意を集めることがいっそう難しくなります

川西市で確認しておくこと

当社が集計した川西市の直近成約62件は、マンション30件・戸建24件・土地8件。戸建の中央値は2,450万円、土地は1,900万円でした。駅別の戸建総額中央値は川西池田2,900万円(19件)、絹延橋2,700万円(5件)、雲雀丘花屋敷2,700万円(5件)、北伊丹2,600万円(11件)、畦野2,200万円(23件)です。62件のうち14件が1985年以前の築でした。

確認する順番はこうです。

  1. 被相続人が亡くなった日を確認する——そこから10年です。カレンダーに入れてください
  2. 登記簿の名義を確認する——亡くなった方の名義のままなら、相続登記の義務の対象です
  3. 特別受益・寄与分の主張があるかを整理する——生前贈与の資料(振込記録、贈与税の申告書、住宅取得資金の非課税の届出など)、介護の記録を集めてください
  4. 話がまとまらないなら、10年が来る前に家庭裁判所へ申し立てる——調停の申立てで具体的相続分を確保できます
  5. まとまるなら、遺産分割協議書を作り、相続登記まで進める——ここまで来て初めて売却できます

やらないほうがよいケース・注意点

  • 「もめたくないから」と何もしないこと——10年経過は、もめずに済む方法ではありません。もらっていない側が一方的に不利になるだけです
  • 特別受益にあたるかを自己判断すること——生前贈与がすべて特別受益になるわけではありません。金額・目的・時期によって判断が分かれます。弁護士にご相談ください
  • 期限だけを見て慌てて合意すること——不利な条件で合意すれば、取り戻せません。10年より前に申し立てておけば、時間をかけて話し合えます
  • 本記事の数値をそのまま当てはめること——上の試算は特別受益1,000万円が認められた場合の単純なモデルです。実際の計算は個別事情によります

よくある質問

Q. 遺産分割に期限はありますか?
A. 分割そのものに期限はありませんが、令和5年4月1日施行の民法904条の3により、相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的相続分ではなく法定相続分(または指定相続分)によることになりました。特別受益や寄与分を反映した取り分を主張できなくなります。

Q. 10年を過ぎると、いくら変わりますか?
A. 川西池田の戸建2,900万円と預貯金600万円が遺産、相続人は兄弟2人、兄に1,000万円の特別受益がある場合を例にすると、具体的相続分では兄1,250万円・弟2,250万円、法定相続分では各1,750万円となり、弟の取り分が500万円減ります。

Q. 10年を過ぎても具体的相続分で分けられますか?
A. 2つの例外があります。①10年経過前に相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき ②10年の期間満了前6か月以内に、遺産分割請求をすることができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、当該事由消滅時から6か月経過前に家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき。話し合いがまとまらないまま10年が近づいたら、家庭裁判所への申立てをご検討ください。

Q. 遺産分割が終わらないと売却できませんか?
A. できません。遺産分割前の不動産は相続人全員の共有状態で、売却は共有物の「変更」にあたるため民法251条1項により共有者全員の同意が必要です。加えて令和6年4月1日から相続登記が義務化されており、令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産は令和9年3月31日が期限です。

Q. 施行前に相続が始まっていた場合はどうなりますか?
A. 経過措置が設けられていますが、参照した法務省の資料には具体的な期限の記載がなく、本記事では正確な日付を確認できていません。推測での記載は避けます。該当する可能性がある方は、弁護士または家庭裁判所にご確認ください。

まとめ

  1. 相続開始から10年で、具体的相続分が使えなくなります——民法904条の3、令和5年4月1日施行
  2. 事例では弟の取り分が500万円減ります——特別受益1,000万円を主張できなくなるためです
  3. 例外は「10年経過前の家庭裁判所への遺産分割請求」——まとまらないなら申し立ててください
  4. 分割が終わらなければ売却もできません——共有者全員の同意が必要です(民法251条1項)
  5. 相続登記の期限は令和9年3月31日——令和6年4月1日より前に相続を知った不動産が対象です

川西市の駅別・町丁別の相場は川西市の不動産売却で公開しています。売却にかかる費用と税金は川西市の不動産売却にかかる費用と税金をご覧ください。

査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「分け方が決まっていないが、いくらになるか知りたい」という段階のご相談でも構いません。金額が見えると、話が進むことがあります。

出典:成約データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計(川西市・直近62件)。遺産分割の期間制限は民法第904条の3(令和3年法律第24号による改正、令和5年4月1日施行)、法務省「民法・不動産登記法の改正」関係資料。共有物の変更は民法第251条第1項。相続登記の申請義務化は不動産登記法(令和6年4月1日施行)、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」。掲載の試算は特別受益が認められた場合の単純なモデルであり、実際の具体的相続分の計算は個別の事情によって異なります。施行日前に相続が開始していた場合の経過措置については、参照資料に記載がなく確認できていません。個別の判断は必ず弁護士にご相談ください。

この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)

この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。

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