灘区で媒介契約が満了します。更新しますか?売主が決められること

「契約期間が今月末までなので、更新の書類をお持ちしますね」
担当者からそう言われて、なんとなく判を押しそうになる。神戸市灘区で売却中の方から、この場面のご相談をよくいただきます。
ですが、この満了日は、売主が使える数少ない「決定権のある日」です。ここで何を確認し、何を決められるのか。制度の中身から整理します。
3か月という期間は、法律で決まっています
国土交通省の標準媒介契約約款では、専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間は「3か月を超えない範囲」と定められています。1年契約も6か月契約も存在しません。
なぜ3か月なのか。売主を1社に縛り続けないためです。3か月ごとに、売主が「このままでよいか」を判断できるように設計されています。
そして更新は自動ではありません。放っておけば満了します。更新するには、売主から申し出る必要があります。つまり満了日は、あなたが選び直せる日なのです。

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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
更新の前に、3つだけ確認してください
① 報告は義務どおり来ていましたか。専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上の業務処理状況の報告が義務です。3か月なら専任で6回以上、専属専任で12回以上。数えてみてください。来ていなければ、それは契約違反です。
② レインズには、いつ登録されましたか。専任媒介は契約日から7日以内、専属専任媒介は5日以内(いずれも宅建業者の休業日を含まない)に指定流通機構へ登録する義務があります。登録すると登録証明書が発行され、売主に交付されます。手元にありますか。
③ この3か月で、何件の問い合わせと何件の内見がありましたか。「反響は少なかったです」ではなく、数字で聞いてください。
この3つに具体的に答えられる会社なら、続ける価値があります。答えが曖昧なら、それが答えです。
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判断の前提として、この区がどれくらい動く市場かを知っておいてください。

直近1年の成約は657件。月にならすと約55件です。中古マンション416件(月35件)、戸建209件(月17件)、更地29件(月2.4件)。
マンションなら月35件が動く市場です。3か月で約104件が成約している中で、あなたの1件が決まらなかった。これは「市場がない」ではありません。
ただし更地は月2.4件。土地を売りに出している方は、3か月動かなくても異常とは言えません。母数が小さいからです。同じ「3か月」でも、種別によって意味が違います。

選択肢は4つあります
A. 同じ会社と、同じ条件で更新する。報告も露出も適切で、価格だけが課題だとわかっているなら、これでよい。担当者との関係も継続します。
B. 同じ会社と、条件を変えて更新する。価格の見直し、写真の撮り直し、掲載媒体の追加。「更新するので、次の3か月はここを変えてください」と条件をつけられます。いちばん現実的な選択肢です。
C. 他社に変える。満了日を待てば、違約のリスクなく変えられます。新しい会社は新鮮な目で見ます。ただし、また最初から3か月かかる可能性があります。
D. 一般媒介にする。複数社に同時に依頼できます。ただし一般媒介には法律上の報告義務もレインズ登録義務もありません。「どこも本気で動かない」という結果になり得ます。
更新しないほうがよい場合
- 報告義務が守られていない——2週間に1回すら来ていないなら、次の3か月も同じです
- レインズの登録証明書を渡されていない——登録されているかどうかを自分で確認できていない状態です
- 売り出し価格の根拠を説明できない——参照した成約事例を言えない会社は、事例を見ていません
- 値下げ以外の提案が一度も出てこなかった——写真、文章、掲載媒体、内見の受け方。打てる手はたくさんあります
やってはいけないこと
ひとつめ。満了日を過ぎてから考える。満了すると、その物件はレインズから削除されます。決めないまま日が過ぎると、露出が止まった期間が生まれます。満了の2週間前には方針を決めてください。
ふたつめ。契約期間の途中で、感情的に解約する。正当な理由なく中途解約すると、それまでにかかった費用の償還を求められる場合があります。満了日まで待てば、その心配はありません。
みっつめ。「更新しないと言いにくい」で流される。3か月という期間は、まさにこの判断のために設けられています。制度がそう作られている以上、遠慮する必要はありません。
まずやること
- 媒介契約書を出して、契約の種類と満了日を確認する
- この3か月に届いた報告の回数を数える(専任なら6回以上あるはず)
- レインズの登録証明書が手元にあるか探す
- 問い合わせ件数・内見件数を担当者に数字で聞く
- 満了日の2週間前までに、A〜Dのどれにするか決める
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで灘区全体の中央値です。同じ区のなかでも、築年・面積・駅距離・土地の形で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。いまの媒介契約を続けたままの、セカンドオピニオンのご相談も承ります。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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