長田区の空き家、固定資産税は本当に6倍になりますか?区内に10,300戸

長田区には空き家が10,300戸あります。総住宅数58,940戸に対して17.5%。兵庫県平均は13.8%です(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」、基準日2023年10月1日)。
空き家を相続して、どうするか決めきれていない方に向けて書きます。結論から言うと、放置には費用がかかり、期限があります。ただし世の中でよく言われている「固定資産税が6倍になる」という説明は、正確ではありません。そこも含めて、根拠を示しながら整理します。
長田区の空き家の数字
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 空き家数 | 10,300戸 |
| 総住宅数 | 58,940戸 |
| 空き家率 | 17.5% |
| 兵庫県平均 | 13.8% |
| 高齢化率(2020年10月1日時点) | 35.0% |
長田区の空き家率は県平均を上回っています。高齢化率35.0%(2020年10月1日時点)という数字とあわせて見ると、相続にともなって空き家になる住まいは、これから増える方向です。
神戸市長田区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
「空き家は固定資産税が6倍」は正確ではありません
まず制度を正しく押さえます。2023年12月13日に施行された改正空家法で、「管理不全空家等」という区分が新しくできました。空家法第13条第1項は、これを「適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態」にある空家等と定めています。
市町村長から指導を受け、それでも改善されない場合に勧告が出ます。この勧告が出ると、地方税法第349条の3の2の規定により、その敷地は住宅用地特例の対象から外れます。同時に都市計画税の特例も外れます。
| 区分 | 固定資産税の課税標準 | 都市計画税の課税標準 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額の6分の1 | 評価額の3分の1 |
| 一般住宅用地(200㎡超) | 評価額の3分の1 | 評価額の3分の2 |
| 特例が外れた場合 | 下記のとおり負担調整措置が適用 | — |
ここからが本題です。「6分の1が外れるから6倍」という説明が広く出回っていますが、これは負担調整措置を計算に入れていない単純計算です。
住宅用地特例が外れた土地は、非住宅用地として扱われます。非住宅用地には課税標準額の上限が評価額の70%という定めがあり、さらに前年度の課税標準額から段階的に引き上げられます(総務省の資料による)。
したがって同じ評価額で比べたときの理論上の上限は、小規模住宅用地でおよそ4.2倍(70%÷6分の1)、一般住宅用地でおよそ2.1倍(70%÷3分の1)です。しかも勧告の翌年度に一気に上がるのではなく、数年かけて上限に近づきます。さらに変わるのは土地部分だけで、建物部分の税額は変わりません。納付書の合計額が4.2倍になるわけではない、ということです。
脅すつもりはありません。ただし勧告が出る段階まで放置すれば、税額が上がるのも事実です。実際の金額は評価額と自治体の運用で変わりますので、お住まいの市区の資産税課にご確認ください。
読みながら、今の価格だけ先に知る。
10秒LINE査定 → 今いくら?がすぐわかる相続した家には、3つの期限があります
- 相続登記の申請義務(2024年4月1日施行)——不動産登記法第76条の2により、相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請が義務づけられました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料です。施行日より前に相続した不動産は、2027年3月31日までが期限です
- 相続空き家の3,000万円特別控除——相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ特例そのものが令和9年(2027年)12月31日までの譲渡に限られます。令和6年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合の控除額は2,000万円です
- 相続税の取得費加算——相続税を納めた方は、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ると、相続税額の一部を取得費に加算できます
1つ目について補足します。相続人申告登記という簡易な手続きもありますが、法務省は「不動産についての権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要がある」と明記しています。申告登記だけでは売れません。
売る・貸す・解体する・国に返す
選択肢は4つあります。それぞれの向き不向きを整理します。
| 選択肢 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 売る | 使う予定がなく、費用をかけたくない場合 | 3,000万円特別控除の期限(令和9年12月31日)内なら税負担を抑えられます |
| 貸す | 建物が使える状態で、管理の手間を許容できる場合 | 賃貸に出すと居住用財産の特例が使えなくなることがあります |
| 解体して土地で売る | 建物の傷みが激しい場合 | 解体すると住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税が上がります。解体費用も数十万円から数百万円かかります |
| 相続土地国庫帰属制度 | 売れる見込みがなく、手放したい場合 | 2023年4月27日開始。土地のみが対象で、建物が建っていると申請できません。審査手数料は土地一筆あたり14,000円、負担金は原則20万円からです |
長田区で実際にいくらで売れるかが分かれば、この4つの比較ができます。分からないまま「まだ決められない」と先送りするのが、いちばん費用がかかります。
参考までに、長田区のマンションの成約104件を築年帯で並べると、築年が1年進むごとに中央値が約119万円下がる傾きでした。3年先送りすれば約357万円です。
長田区の町丁別・種別ごとの成約データは長田区の不動産売却にまとめています。
よくある質問
空き家を放置すると、固定資産税は本当に6倍になりますか?
なりません。管理不全空家等または特定空家等として市町村長から勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象から外れます。ただし特例が外れた土地には非住宅用地としての負担調整措置が適用され、課税標準額の上限は評価額の70%です。小規模住宅用地(200㎡以下)の場合、理論上の上限は約4.2倍で、それも数年かけて段階的に引き上げられます。また変わるのは土地部分のみで、建物部分の税額は変わりません。
指導を受けただけで税金は上がりますか?
上がりません。住宅用地特例が外れるのは勧告が出た場合です。空家法第13条第1項の指導、同第22条第1項の助言・指導の段階では外れません。
管理不全空家等と特定空家等は何が違いますか?
管理不全空家等は「そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態」で、措置は指導と勧告の2段階までです。特定空家等は「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」等で、助言・指導、勧告、命令、行政代執行まで進みます。住宅用地特例が外れる点は、どちらも勧告の段階で同じです。
相続した家を売るか決めていません。査定だけ頼めますか?
できます。査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。売る・貸す・解体する・国に返す、のどれを選ぶにしても、まず「売ったらいくらか」が分からないと比較ができません。
まとめ
- 長田区の空き家は10,300戸、空き家率17.5%(兵庫県平均13.8%)
- 管理不全空家等への勧告で住宅用地特例が外れる(指導の段階では外れない)
- 「固定資産税6倍」は負担調整措置を無視した単純計算。上限は評価額の70%で、小規模住宅用地でも約4.2倍
- 旧相続分の相続登記は2027年3月31日、相続空き家の3,000万円控除は2027年12月31日が期限
- 長田区の売却のご相談は、Estate&Co.までお寄せください
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
出典:空き家数・総住宅数・空き家率は総務省「令和5年住宅・土地統計調査」を兵庫県が集計したもの(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk11/documents/r5gaiyo.pdf 、基準日2023年10月1日)。高齢化率は2020年10月1日時点の値です。管理不全空家等・特定空家等の定義および措置は空家等対策の推進に関する特別措置法(https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000127 )第13条・第22条、改正法の施行日は国土交通省の報道発表(https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000183.html )および「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002019841.pdf )によります。住宅用地特例と特例除外は地方税法第349条の3の2および第702条の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 )、非住宅用地の課税標準額の上限および負担調整措置は総務省の資料(https://www.soumu.go.jp/main_content/000759200.pdf )によります。相続登記の申請義務は不動産登記法第76条の2および法務省(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html )、相続人申告登記の限界は法務省(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html )、相続土地国庫帰属制度は法務省(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html )、相続空き家の3,000万円特別控除は国税庁タックスアンサーNo.3306(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm )によります。実際の税額は評価額と各自治体の運用によって変わります。個別の判断は市区町村の資産税課、税務署または税理士にご確認ください。成約データは国土交通省「不動産情報ライブラリ」の長田区・2025年4月〜2026年3月のうち築5〜34年の104件を当社が抽出し、5年ごとの築年帯の中央値を直線で近似したものです。
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