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神戸市長田区

長田区で媒介契約を結ぶ前に|手数料18万円が33万円になる特例は、あなたにとって得か損か

2026.09.06
神戸市長田区の風景

長田区で低価格帯の物件を売却するとき、媒介契約の締結時に「仲介手数料は33万円でお願いします」と説明されることがあります。

これは法令に根拠のある正規の取扱いです。令和6年7月1日施行の報酬告示の改正で、価格800万円以下の宅地・建物については、報酬の上限が30万円の1.1倍にあたる33万円(税込)に引き上げられました。

ただしこの特例を適用するには、媒介契約の締結に際してあらかじめ説明し、依頼者が合意することが必要です。つまり売主には、その場で判断を求められます。判断材料をここで整理します。

差額は価格帯で大きく変わります

通常の報酬上限は「200万円以下=5%」「200万円超400万円以下=4%+2万円」「400万円超=3%+6万円」(いずれも別途消費税)の3区分で計算します。特例の33万円との差は次のとおりです。

売却価格 通常の上限(税込) 特例の上限(税込) 差額 売却価格に対する差額の割合
360万円
長田駅(神戸電鉄)戸建中央値
18.0万円 33.0万円 15.0万円 4.2%
500万円 23.1万円 33.0万円 9.9万円 2.0%
625万円
鶴越 戸建中央値
27.2万円 33.0万円 5.8万円 0.9%
700万円 29.7万円 33.0万円 3.3万円 0.5%
800万円 33.0万円 33.0万円 0円 0.0%
965万円
丸山(兵庫)戸建中央値
38.5万円 対象外(通常計算が上回ります)

800万円ちょうどでは、通常計算も33.0万円で特例と一致します。この制度は800万円の地点でぴったり接続するように設計されており、800万円を超えれば通常計算のほうが高くなるため、特例を使う意味がなくなります。

言い換えると、特例が実質的に効いてくるのは価格が低い物件ほどということです。360万円なら15.0万円、売却価格の4.2%にあたります。

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長田区の40件中8件が、この価格帯です

当社が集計した長田区の直近成約40件のうち、800万円以下が8件、1,000万円以下が13件でした。駅別の戸建総額中央値は、長田駅(神戸電鉄)360万円(8件)、鶴越625万円(4件)、丸山(兵庫)965万円(18件)、駒ケ林1,100万円(9件)です。

一方、新長田は2,800万円(16件)、板宿2,500万円(17件)と、同じ区内でも大きな開きがあります。ご自身の物件がどちらの帯にいるかで、媒介契約時の会話が変わります。

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15万円を払う価値があるか、どう判断するか

特例が設けられた背景は、低額の物件でも現地調査・権利関係の確認・境界の確認などにかかる手間は変わらないため、通常の報酬額では取り扱いが敬遠されてきたことにあります。

合意しないという選択も当然できます。ただしその場合、報酬は通常計算の上限(360万円なら18.0万円)にとどまります。

判断の軸は3つです。

  1. 売れないまま持ち続けた場合のコストと比べる——固定資産税・都市計画税、火災保険、草刈りや管理の費用は、売れるまで毎年かかり続けます。数年分を合計すれば15万円を超えることは珍しくありません
  2. 何をしてもらえるのかを具体的に聞く——広告の掲載先、レインズへの登録、内見の対応、境界や越境の調査、契約不適合責任への手当てなど。金額の話の前に、業務の中身を書面で確認してください
  3. 他社の見積もりと比べる——特例の適用は義務ではありません。通常計算で受ける会社もあります。ただし安いことが、売れることを意味するわけではありません

令和6年7月1日の改正で変わった点

項目 改正後の内容
対象となる価格 800万円以下
報酬の上限 30万円の1.1倍=33万円(税込)
物件の使用状態 不問。空き家であることは要件ではありません
費用の要件 「当該媒介に要する費用を勘案して」と定められています
手続 媒介契約の締結に際し、あらかじめ報酬額について依頼者に説明し、合意することが必要です

とくに「使用の状態は不問」という点は、あまり知られていません。空き家でなくても、いま住んでいる家でも、800万円以下であれば対象になります。

なお買主側からもこの特例による報酬を受け取れるかどうかについては、参照した国土交通省の資料に売主・買主の区分が明記されていないため、断定を避けます(この点は確度85%程度の理解として記載しています)。ご契約前に、担当者へ直接ご確認ください。

媒介契約そのものの確認事項

金額と同時に、契約の形式もご確認ください。

— 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
有効期間 法律上の制限なし
標準媒介契約約款では3か月以内
3か月以内 3か月以内
レインズ登録 義務ではありません 契約日の翌日から7日以内 契約日の翌日から5日以内
業務処理状況の報告 義務ではありません 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自分で買主を見つけて直接契約 できます できます できません

報告は文書または電子メールで行うこととされています。低価格帯の物件ほど動きが少なくなりがちですので、報告を受け取り、記録に残してください。

やらないほうがよいケース

  • 800万円を超える見込みの物件で特例を持ち出されたとき——対象外です。通常計算のほうが金額は上になります。査定価格が800万円をまたぐ場合は、どちらで計算するのかを事前に確認してください
  • 業務の中身の説明がないまま金額だけ提示されたとき——告示は「あらかじめ説明し、合意する」ことを求めています。何にいくらかかるのかの説明を求めてください
  • 金額の安さだけで会社を選ぶこと——15万円を節約しても、1年売れなければ固定資産税・管理費でその差は消えます

よくある質問

Q. 仲介手数料33万円と言われました。正しいのですか?
A. 令和6年7月1日施行の報酬告示の改正により、価格800万円以下の宅地・建物については報酬の上限が30万円の1.1倍=33万円(税込)とされています。法令に根拠のある取扱いです。ただし媒介契約の締結に際してあらかじめ説明し、合意することが必要とされていますので、その場で合意するかどうかを判断できます。

Q. 通常の計算だといくらですか?
A. 200万円以下は5%、200万円超400万円以下は4%+2万円、400万円超は3%+6万円(いずれも別途消費税)です。360万円なら18.0万円、500万円なら23.1万円、625万円なら27.2万円、700万円なら29.7万円になります。800万円ちょうどでは33.0万円となり、特例と一致します。

Q. 800万円を超えたらどうなりますか?
A. 特例の対象外となり、通常計算になります。ただし800万円超では通常計算のほうが33万円を上回るため、売主にとって不利になるわけではありません。965万円なら38.5万円、1,100万円なら42.9万円が上限です。

Q. 空き家でないと使えませんか?
A. 使えます。国土交通省の資料では「価格800万円以下の宅地・建物について、使用の状態は不問」とされています。いま住んでいる家でも対象になります。

Q. 合意しないとどうなりますか?
A. 報酬は通常計算の上限にとどまります。合意は義務ではありません。ただし低額の物件は現地調査などの手間が価格に比例しないため、取扱いを敬遠されることがあります。金額だけでなく、何をしてもらえるのかを書面で確認したうえでご判断ください。

まとめ

  1. 800万円以下は上限33万円(税込)——令和6年7月1日施行の報酬告示の改正によるものです
  2. 差額は価格帯で変わります——360万円なら15.0万円、700万円なら3.3万円、800万円なら0円です
  3. 媒介契約時の事前説明と合意が必要——その場で判断を求められます
  4. 使用の状態は不問——空き家でなくても対象です
  5. 比較すべきは「売れないまま持ち続けるコスト」——固定資産税・管理費は毎年かかり続けます

長田区の駅別・町丁別の相場は長田区の不動産売却で公開しています。売却にかかる費用と税金は長田区の不動産売却にかかる費用と税金をご覧ください。

査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「他社から33万円と言われたが、妥当か知りたい」というご相談だけでも構いません。

出典:成約データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計(長田区・直近40件)。報酬の上限は宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通省告示(昭和45年建設省告示第1552号)および同告示の令和6年7月1日施行の改正、国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」関係資料。媒介契約の種類別の義務は宅地建物取引業法第34条の2および同法施行規則。掲載の金額はいずれも上限額であり、実際の報酬額は媒介契約で定めます。買主側からの受領可否については参照資料に明記がないため、ご契約前に担当業者にご確認ください。

この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)

この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。

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