西区で新築が6倍に増えた4年間、中古の家はいくら下がったか

神戸市西区で戸建の売却を考えるとき、多くの方が確認するのは「西区の戸建相場は上がっているか」という一点です。直近の数字だけを見れば、答えは「上がっている」になります。総額の中央値は4年前の2,600万円から2,700万円へ上がっているからです。
ところがこの数字には、大きな前提が隠れています。国土交通省の成約価格情報から、2025年4月〜2026年3月に西区で成約した戸建(土地と建物)293件を当社で集計したところ、そのうち70件が新築でした。4年前の同じ期間(221件)では新築はわずか12件です。
新築の成約が約5.8倍に増え、その新築が区全体の中央値を押し上げています。新築を除いた中古だけを取り出すと、総額の中央値は2,550万円から2,300万円へ、約9.8%下がっていました。
この記事は、西区の戸建相場を「新築と中古の分離」「築年帯」「町名」の3つの軸で分解し、中古の戸建を売る側が実際に置かれている状況を整理したものです。
西区の戸建はいくらで売れていますか?
結論:直近1年に西区で成約した戸建293件の中央値は、総額2,700万円、土地面積160㎡、延床面積110㎡、建築年1999年、駅徒歩15分でした。ただしこの2,700万円は、新築を含んだ数字です。

新築(取引時点で築1年以内)の総額の中央値は3,200万円、中古は2,300万円です。区全体の2,700万円という数字は、この二つを混ぜた結果にすぎません。中古の戸建をお持ちの方にとって、判断の基準になるのは2,300万円のほうです。
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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
新築が5.8倍に増えたのは、中古の売主に何を意味しますか?
結論:買主が選べる選択肢が一気に増えた、ということです。中古の価格が下がった直接の原因だと断定はできませんが、時期はきれいに重なっています。
4年前、西区で成約した戸建221件のうち新築は12件、割合にして5.4%でした。直近1年は293件のうち70件、23.9%です。成約4件に1件が新築という水準まで上がりました。
買主の立場で考えると、4年前は「西区で家を買う=ほぼ中古を買う」でした。今は、同じ予算帯に新築の選択肢が常に並んでいます。新築の中央値3,200万円と中古の2,300万円の差は900万円。この900万円をどう見せるかが、中古の売主にとっての勝負どころになります。
注意していただきたいのは、これは「中古が売れなくなった」という話ではないという点です。成約件数そのものは221件から293件へ約33%増えています。買主は増えています。ただし、その買主が比較している相手が変わりました。
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結論:築1991〜2000年が▲15.1%と最も大きく下がりました。逆に築1981〜1990年は+17.8%と上がっています。「古いほど下がる」という単純な構図ではありません。

築1991〜2000年は直近1年で73件が成約しており、区内で最も件数の多い築年帯のひとつです。この層が15.1%下がっているという事実は、西区で戸建を売ろうとしている多くの方に直接関係します。
なぜこの層かについて、当社は成約データしか持っておらず断定はできません。ただし築25〜35年という年数は、給湯・配管・屋根といった設備更新の時期にあたり、買主から見て「買ってすぐ費用がかかる」と判断されやすい帯であることは、実務上の感覚と一致します。この点は推測として読んでください。
一方、築1981〜1990年が上がっているのは、土地面積の中央値が4年前の210㎡から180㎡へ変わっていることからも分かるとおり、売れた物件の中身が変わった影響が含まれます。単純に「築35年以上が値上がりした」とは読めません。
西区の戸建は、町名でどれくらい違いますか?
結論:直近1年の成約総額の中央値で、学園東町4,650万円に対して竜が岡2,000万円。約2.3倍の差があります。

上位は学園東町4,650万円、美賀多台4,300万円、竹の台4,100万円。いずれも西神ニュータウンの中でも学園都市・西神中央に近い町名です。下位は枝吉2,300万円、竜が岡2,000万円でした。
同じ「西神ニュータウンの戸建」という括りでも、町名が変われば総額は倍以上変わります。ご近所の成約価格を目安にする場合は、それが同じ町名なのかを必ず確認してください。
西区なのに最寄駅が「明石」の物件は、どう評価されますか?
結論:西区の戸建成約293件のうち88件(30%)は、最寄駅が明石市側(明石・西明石・大久保・朝霧)です。この層は明石市の物件と並べて比較されます。

最寄駅別で最も件数が多いのは西神中央の82件(総額中央値3,250万円)。次いで明石43件(2,100万円)です。土地㎡単価で見ると西明石21.9万円・伊川谷21.5万円が高く、押部谷10.0万円・栄10.4万円が低くなっています。
興味深いのは、栄の土地面積の中央値が268㎡と区内で最も広いにもかかわらず、総額が2,700万円にとどまる点です。土地が広いことは、必ずしも高く売れることを意味しません。買主にとっては、広い土地は固定資産税と管理の手間が増える要素でもあります。
買主が明石市の物件と見比べている件については、別の記事で詳しく整理しています。あわせてご覧ください。
4年前と比べて、西区の戸建は値上がりしましたか?
結論:区全体の総額の中央値は2,600万円から2,700万円へ+3.8%。ただし土地㎡単価では16.8万円から16.0万円へ▲4.8%と、逆方向に動いています。
総額が上がって単価が下がるという一見矛盾した動きは、新築の増加で説明がつきます。新築は土地が狭く(中央値125㎡)建物が新しいため総額は高くなりますが、土地単価で割ると必ずしも高くなりません。区全体の平均像が、この4年で入れ替わったということです。
したがって「西区の戸建は値上がりしましたか」という問いには、こう答えるのが正確です。新築は増えて全体の平均は上がった。中古の値段は下がった。
西区で戸建を売るとき、何から始めればいいですか?
結論:新築の売出価格を先に確認してください。買主が比較している相手を把握しないまま価格を決めると、売出期間が長引きます。
- ①同じ町名・同じ最寄駅の新築売出価格を調べる。成約の4件に1件が新築です。中古の価格はそこからの逆算で決まります。
- ②中古だけの相場で自分の位置を測る。区全体の2,700万円ではなく、中古の中央値2,300万円が出発点です。
- ③築25〜35年なら、設備の更新履歴を整理する。この帯が最も下がっています。給湯器・屋根・外壁・水回りの更新記録は、そのまま価格の根拠になります。
当社は売主側だけの立場で売却をお手伝いする専門店です。買主を自社で抱えて両手仲介を狙う必要がないため、囲い込みをせず、他社の買主にも広く物件を開きます。
よくある質問
西区の戸建の相場はいくらですか?
直近1年に成約した293件の中央値は総額2,700万円、土地面積160㎡、延床面積110㎡、建築年1999年です。ただしこの数字には新築70件が含まれます。新築を除いた中古だけの総額の中央値は2,300万円で、4年前の2,550万円から約9.8%下がっています。
西区の中古戸建は値下がりしているのですか?
中古だけを取り出すと下がっています。総額の中央値は4年前の2,550万円から2,300万円へ約9.8%の下落です。土地㎡単価でも16.8万円から16.0万円へ▲4.8%。一方で区全体の中央値は2,600万円から2,700万円へ上がっており、これは新築の成約が12件から70件へ増えたためです。
築30年の戸建はいくらくらいで売れますか?
築1991〜2000年の土地㎡単価の中央値は13.5万円で、この帯は直近1年に73件が成約しています。ただし4年前の15.9万円から15.1%下がっており、区内の築年帯で最も下落幅が大きい層です。土地面積によって総額は大きく変わるため、同じ町名・同じ面積帯の事例で確認する必要があります。
西神ニュータウンの中でも、高い町名と安い町名はどこですか?
直近1年の成約総額の中央値で見ると、学園東町4,650万円、美賀多台4,300万円、竹の台4,100万円が上位です。下位は枝吉2,300万円、竜が岡2,000万円で、最大約2.3倍の差があります。同じニュータウン内でも町名によって価格帯が異なります。
査定はどのようなデータを使うのですか?
国土交通省の不動産情報ライブラリで公開されている成約価格情報をもとに、町名別・築年別・土地面積別に集計し、さらに新築と中古を分けたうえで、ご自宅と条件の近い成約事例を抽出してご説明します。あわせて現地確認と、現在売出中の新築・中古の競合状況を踏まえて価格帯をご提示します。査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。
この記事で使ったデータの出典
- 出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)「成約価格情報」(兵庫県神戸市西区/宅地(土地と建物)、2025年4月〜2026年3月の293件、2021年4月〜2022年3月の221件)をもとに株式会社Estate&Co.作成
- 成約価格情報における「土地と建物」は戸建を指します
- 「新築」は、取引年と建築年の差が1年以内の物件と定義して集計しています
- 土地㎡単価は各成約の総額を土地面積で割って物件ごとに算出し、その中央値を用いています(建物の価値を含むため、純粋な地価ではありません)
- 町名別・駅別の集計は、成約が5件以上あった区分のみを掲載しています
※中央値は「その区分で実際に売れた物件の中央の値」であり、個別物件の査定額ではありません。※戸建は土地条件の個体差が大きく、件数の少ない区分では中央値が動きやすくなります。※成約データは四半期ごとに更新されます。
私たちは神戸市中央区京町に本店を置く、兵庫県の不動産売却専門店です。西区のご自宅について、新築と中古を分けた成約事例でご説明します。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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