西区の不動産売却にかかる費用と税金|実家に畑がついていると、そこだけ課税されます

神戸市西区は面積138.01km²、市域の約4分の1を占める市内最大の区です。西神中央・西神南・学園都市のニュータウン群と、押部谷・神出・岩岡といった田園地帯が同じ行政区に同居しています。
そのため、西区では他区ではまず起きないことが起きます。実家を売ろうとしたら、敷地の隣に畑がついていた。
ここで押さえていただきたいのが、マイホームの3,000万円特別控除は「家屋とその敷地」にしか効かないということです。同じ日に同じ相手へまとめて売っても、畑の部分は控除の対象外になります。実際に計算すると、家は税額0円、畑だけで約92.9万円という結果になりました。
この記事では、国土交通省の不動産情報ライブラリに登録された取引価格情報をもとに当社が集計した西区の直近1年の成約データを使い、費用と税金を実額で計算します。
西区は「区の相場」が成立しない区です
直近1年(2025年4月〜2026年3月)の西区の成約は、中古マンション243件・戸建293件。マンションの㎡単価中央値は23.8万円、総額中央値2,200万円、戸建の総額中央値は2,700万円です。
4年前(2021〜22年)との比較では、マンション㎡単価が22.9万円から23.8万円へ約3.9%、戸建が2,600万円から2,700万円へ約3.8%。価格そのものはほぼ横ばいです。一方で件数は、マンションが200件から243件へ約21%、戸建が221件から293件へ約33%増えました。西区で起きているのは値上がりではなく、買主が確実についているという変化です。
| 駅 | 戸建総額中央値 | マンション㎡単価 | 70㎡換算 |
|---|---|---|---|
| 学園都市 | 4,650万円(6件) | 26.3万円(25件) | 約1,840万円 |
| 西神南 | 3,950万円(22件) | 30.5万円(46件) | 約2,140万円 |
| 総合運動公園 | 3,700万円(5件) | 36.0万円(5件) | 約2,520万円 |
| 西神中央 | 3,250万円(82件) | 27.1万円(117件) | 約1,900万円 |
| 西明石 | 2,950万円(22件) | — | — |
| 栄(兵庫) | 2,700万円(22件) | — | — |
| 伊川谷 | 2,650万円(12件) | 15.1万円(8件) | 約1,060万円 |
| 明石 | 2,100万円(43件) | 15.2万円(19件) | 約1,060万円 |
| 大久保(兵庫) | 2,000万円(17件) | — | — |
| 押部谷 | 1,400万円(23件) | — | — |
戸建の中央値は学園都市4,650万円に対し押部谷1,400万円で3.3倍。マンションの㎡単価も総合運動公園36.0万円と朝霧14.7万円で2.4倍の幅があります。「西区の相場」という平均値は、どちらの持ち主にとっても実態とかけ離れた数字になります。
もうひとつ、西区の査定で見落とされやすいのが最寄駅の内訳です。明石駅43件・西明石駅22件・大久保駅17件と、明石市側の駅を最寄りとする成約が上位に並びます。住所は神戸市西区でも、買主は明石市の物件と並べて見比べています。詳しくは住所は神戸市西区、でも買主は明石で見比べているで扱っています。
神戸市西区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
西区の実際の成約で、仲介手数料はいくらだったか
| 成約事例 | 価格 | 仲介手数料(税込) | 印紙税 |
|---|---|---|---|
| 枝吉・マンション(明石駅・1975年築) | 130万円 | 33.0万円 ※ | 1,000円 |
| 玉津町・戸建(明石徒歩20分・1978年築) | 220万円 | 33.0万円 ※ | 1,000円 |
| 南別府・マンション | 350万円 | 33.0万円 ※ | 1,000円 |
| 岩岡町・戸建 | 590万円 | 33.0万円 ※ | 5,000円 |
| 伊川谷町・マンション | 600万円 | 33.0万円 ※ | 5,000円 |
| 玉津町・戸建 | 800万円 | 33.0万円 ※ | 5,000円 |
| 押部谷・戸建中央値 | 1,400万円 | 52.8万円 | 1万円 |
| 糀台・マンション(西神中央徒歩6分・中位クラス) | 1,900万円 | 69.3万円 | 1万円 |
| 区のマンション中央値 | 2,200万円 | 79.2万円 | 1万円 |
| 春日台・戸建(西神中央・中位クラス) | 2,400万円 | 85.8万円 | 1万円 |
| 区の戸建中央値 | 2,700万円 | 95.7万円 | 1万円 |
| 西神中央・戸建中央値 | 3,250万円 | 113.9万円 | 1万円 |
| 学園東町・マンション(学園都市徒歩8分・2004年築) | 3,300万円 | 115.5万円 | 1万円 |
| 竹の台・戸建(土地210㎡・1989年築) | 3,800万円 | 132.0万円 | 1万円 |
| 学園都市・戸建中央値 | 4,650万円 | 160.1万円 | 1万円 |
※印は、令和6年7月1日施行の報酬告示改正による「低廉な空家等」の特例(売買価格800万円以下・報酬上限は30万円の1.1倍=税込33万円)を適用した場合の上限額です。西区の成約事例48件のうち6件がこの価格帯で、枝吉・玉津町・南別府・岩岡町・伊川谷町といった外縁部に集中しています。
ただし特例が適用されると売主の負担は増えます。130万円の物件で33万円は売買価格の25.4%。媒介契約を結ぶまでに報酬額の説明と合意が必要とされていますので、金額と、売主・買主のどちらから受け取るのかを契約前に書面でご確認ください。
読みながら、今の価格だけ先に知る。
10秒LINE査定 → 今いくら?がすぐわかる【最重要】3,000万円控除は「家屋とその敷地」にしか効きません
居住用財産の3,000万円特別控除は、自分が住んでいた家屋と、その家屋の敷地を売った場合の制度です。同じ登記名義人が、同じ日に、同じ買主へまとめて売ったとしても、独立した地目・区画の農地は「居住用家屋の敷地」に当たらないため、控除の対象外になります。
西区で「実家+畑」をまとめて売却する場合、この差がそのまま税額に出ます。
前提:押部谷・岩岡・神出エリアの実家を、宅地部分2,700万円・農地部分500万円の合計3,200万円で一括売却。購入時の契約書は残っておらず、取得費は売却価格の5%。所有期間5年超(長期譲渡)。仲介手数料は3,200万円に対して112.2万円、印紙税1万円。譲渡費用は価格比で按分します。
| 項目 | 宅地部分(家と敷地) | 農地部分(畑) |
|---|---|---|
| 売却価格 | 2,700万円 | 500万円 |
| 取得費(概算5%) | 135万円 | 25万円 |
| 譲渡費用(按分) | 95.5万円 | 17.7万円 |
| 譲渡所得 | 2,469.5万円 | 457.3万円 |
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | ▲2,469.5万円 | 使えません |
| 課税譲渡所得 | 0円 | 457.3万円 |
| 譲渡所得税・住民税 | 0円 | 約92.9万円 |
家は0円、畑だけで約92.9万円。売却代金3,200万円のうち、畑の500万円に対して92.9万円が課税される計算です。畑部分の手取りは約389.4万円まで下がります。
ここで重要なのは、この92.9万円が「なくせる可能性がある」ということです。後述する農地の800万円特別控除の要件を満たせば、457.3万円は800万円の枠内に収まるため税額は0円になります。ただし要件は厳しく、誰でも使えるものではありません。
畑がついた土地の売り方そのものは畑がついてくる土地は、どう売るのか(西区)で扱っています。
農地には800万円の特別控除があります(ただし条件つき)
譲渡所得の特別控除には、次の7種類があります。
| 控除額 | 適用されるケース |
|---|---|
| 5,000万円 | 公共事業などのために土地建物を売った場合 |
| 3,000万円 | マイホーム(居住用財産)を売った場合/被相続人の空き家を売った場合 |
| 2,000万円 | 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合 |
| 1,500万円 | 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合 |
| 1,000万円 | 平成21年および22年に取得した国内の土地を譲渡した場合 |
| 800万円 | 農地保有の合理化などのために土地を売った場合 |
| 100万円 | 低未利用土地等を売った場合 |
それぞれの控除額は特例ごとの譲渡益が限度で、同一年の合計は最高5,000万円まで。控除は上の表の順に適用されます。
ここが肝心なところです。800万円特別控除は「農地保有の合理化など」のための譲渡が対象で、一般の買主へ相対で売る通常の売買では使えません。農業委員会のあっせんや農地中間管理機構への譲渡など、法律に定められた形での譲渡である必要があります。
つまり、畑を「誰に、どういう手続きで売るか」を決める前に確認しないと、この控除は取り逃がします。買主が決まってから「実は使えたはず」と気づいても、契約の形をさかのぼって変えることはできません。売却の相談を始める段階で、農業委員会に相談経路があるかどうかを確認してください。
農地を売るときに、宅地と違う3つのこと
- 農地法の許可がないと、売買の効力が生じません——農地を農地のまま売る場合は農地法第3条、宅地などに転用して売る場合は第5条の許可が必要です。許可を得ずに結んだ売買契約では所有権が移転しません。実務では「許可を停止条件とする売買契約」を結び、許可が下りてから決済します。宅地の売買より2〜3か月余分にかかることを、資金計画に織り込んでください
- 下限面積要件は廃止されています——かつては農地の買主に一定面積以上の耕作が求められていましたが、農地法第3条の下限面積要件は令和5年4月1日に廃止されました。買主の間口はこの点では広がっています
- 市街化調整区域かどうかで買主層が変わります——調整区域内の農地は原則として建築が制限され、転用許可も簡単には下りません。買主が住宅ローンを使えないため、価格も購入層もまったく別の市場になります。押部谷・神出・岩岡エリアでは、まず区域区分の確認が出発点です
相続税の納税猶予を受けている農地は、売る前に必ず確認してください
農業を営んでいた被相続人から農地等を相続し、相続人が引き続き農業を営む場合、農地等についての相続税の納税猶予を受けているケースがあります。国税庁タックスアンサーNo.4147にある制度で、猶予された税額は農業相続人が死亡した場合等に免除されます。
問題は、その農地を譲渡すると猶予が打ち切られる点です。猶予されていた相続税を、利子税とあわせて納付することになります。譲渡した面積の割合によって全部確定・一部確定の別があり、扱いは複雑です。
この点は確度80%程度の一般的な理解として記載しており、当社では個別の判定はできません。相続時に「農地の相続税は納めなくてよい」と説明を受けた記憶がある方、相続税の申告書に納税猶予の記載がある方は、売却の相談を始める前に、申告を担当された税理士へご確認ください。売却してから判明した場合、取り返しがつきません。
金額の桁が違う話です。仲介手数料や登記費用の数十万円とは比較になりません。心当たりがある方は、この確認だけは先に済ませてください。
仲介手数料・印紙税以外にかかる費用
- 農地転用・許可申請の費用——行政書士に依頼する場合、農地法第5条の許可申請でおおむね10万円〜20万円程度が目安です。案件の内容により変動します
- 確定測量——35万円〜60万円程度。西区は一筆が大きく、農地が隣接する敷地では立会いの相手方が増えるため上振れします。相続で筆が分かれたまま何十年も放置されている土地では、境界確定に半年近くかかることもあります
- 解体費用——木造で坪4万円〜5万円程度。西区の郊外は敷地に余裕があり重機を入れやすいぶん、湾岸部の狭小地より条件は良いのが一般的です
- 残置物処分——農機具・肥料・資材が残っているケースが多く、戸建1軒で20万円〜60万円程度と幅が出ます
- 抵当権抹消登記——登録免許税は不動産1個につき1,000円。西区は筆数が多い物件が目立ち、10筆あれば登録免許税だけで1万円。司法書士報酬を含めて2万円〜4万円程度
- 相続登記——2024年4月1日から義務化。正当な理由なく3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象です
売却活動が始まったあと、レインズへの登録状況を自分で確認する方法はレインズに載っているか、自分で確かめる方法(西区)で解説しています。
よくある質問
Q. 実家と畑をまとめて売ります。3,000万円控除は全体に使えますか?
A. 使えません。居住用財産の3,000万円特別控除は、自分が住んでいた家屋とその敷地が対象です。独立した地目・区画の農地は居住用家屋の敷地に当たらないため、同じ契約でまとめて売っても控除の対象外になります。宅地2,700万円・農地500万円の一括売却(取得費は概算5%、長期譲渡)で試算すると、宅地部分は税額0円、農地部分は約92.9万円の課税になります。
Q. 畑の分の税金を減らす方法はありますか?
A. 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円特別控除があります。上記の試算では農地部分の譲渡所得が457.3万円ですので、適用できれば税額は0円になります。ただしこの控除は農業委員会のあっせんや農地中間管理機構への譲渡など、法律に定められた形での譲渡が要件で、一般の買主への相対売買では使えません。買主が決まってから契約の形を変えることはできないため、売却の進め方を決める前にご確認ください。
Q. 農地を売るには何が必要ですか?
A. 農地のまま売る場合は農地法第3条、宅地などに転用して売る場合は第5条の許可が必要です。許可を得ずに結んだ売買契約では所有権が移転しないため、実務では許可を停止条件とする契約を結び、許可後に決済します。宅地の売買より2〜3か月余分にかかると見ておいてください。なお農地法第3条の下限面積要件は令和5年4月1日に廃止されています。
Q. 西区で家を売ると、仲介手数料はいくらですか?
A. 実際の成約価格で計算すると、区の戸建中央値2,700万円で約95.7万円、中古マンション中央値2,200万円で約79.2万円、西神中央の戸建中央値3,250万円で約113.9万円、学園都市の戸建中央値4,650万円で約160.1万円、押部谷の戸建中央値1,400万円で約52.8万円です。売買価格800万円以下の物件は令和6年7月1日施行の報酬告示改正により、上限が30万円の1.1倍(税込33万円)となります。
Q. 西区の価格はこれから上がりますか?
A. 4年前との比較では、中古マンションの㎡単価が22.9万円から23.8万円へ約3.9%、戸建の総額中央値が2,600万円から2,700万円へ約3.8%と、ほぼ横ばいです。一方で成約件数はマンションが200件から243件へ約21%、戸建が221件から293件へ約33%増えました。値上がりではなく買主が確実についているという変化ですので、待てば高くなるという前提は働きにくい市場です。
まとめ——西区は「土地の性格」で税額が決まります
西区の不動産売却でかかる費用は、区の戸建中央値2,700万円で売却価格の約3.6%、実額では仲介手数料95.7万円が中心です。
ただし西区で税額を左右するのは、費用ではなく売る土地がどういう性格の土地かです。
- 3,000万円控除は家屋とその敷地まで——独立した畑は対象外。宅地2,700万円+農地500万円の試算では、家は0円、畑だけで約92.9万円の課税でした
- 農地には800万円の特別控除がある——ただし農業委員会のあっせん等が要件で、一般の相対売買では使えません。売り方を決める前に確認してください
- 納税猶予を受けている農地は売る前に税理士へ——譲渡すると猶予が打ち切られ、相続税を利子税とあわせて納付することになります。金額の桁が違います
- 農地法の許可で2〜3か月余分にかかる——許可を停止条件とする契約になります。資金計画に織り込んでください
- 市街化調整区域かどうかが出発点——押部谷・神出・岩岡エリアでは、区域区分の確認が価格も買主層も決めます
西区の相場データは西区の不動産売却のページで、駅別・町丁別に公開しています。中古と新築の関係は西区で新築が6倍に増えた4年間、中古の家はいくら下がったかで扱っています。
査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「うちの畑がどういう扱いになるのか、それだけ知りたい」というご相談でも構いません。
出典:成約データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計。税制は国税庁タックスアンサーNo.3223(譲渡所得の特別控除の種類)・No.3302・No.3305・No.3306・No.4147(農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例)・No.7108。農地法の下限面積要件の廃止は令和5年4月1日施行の改正農地法による。仲介手数料の特例は令和6年7月1日施行の報酬告示改正による。納税猶予の打ち切りに関する記述は一般的な理解であり、個別の判定はできません。解体費用・残置物処分費用・登記費用・測量費・行政書士報酬は一般的な目安であり、実際の金額は条件によって変わります。掲載の税額はいずれも一定の前提を置いた試算です。最終的な判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。土地の形状・間口は成約価格情報には記録がないため、これらを扱った集計は不動産取引価格情報に基づきます。
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