同じ年に建った家が、一斉に売りに出るとき|三田市

同じ通りで、去年3軒売りに出ました。今年はもう2軒出ています。どれも、うちと同じ時期に建った家です。
三田市のニュータウンにお住まいの方から、こういうお話をよく伺います。そして皆さん、同じ不安を口にされます。「これから、もっと増えるんじゃないか」と。
その予感は、統計的には正しい。そのうえで、では何をすべきかを考えます。
三田市がどうやってできた街か
三田市の公式サイトには、こう書かれています。昭和62年(1987年)から平成8年(1996年)にかけてニュータウンの開発が始まり、人口増加率が10年連続で全国第1位を記録しました。現在の人口は105,949人(令和7年3月31日現在)です。
10年間で、街がまるごとできた。これは、住む場所としては素晴らしいことでした。同時に、いま起きていることの原因でもあります。
同じ10年に建った家は、同じ10年に築30年を迎えます。同じ時期に入居したご家族は、同じ時期にお子さんが独立し、同じ時期にご夫婦だけになり、同じ時期に住み替えや相続を考えます。
街の誕生が一斉だったなら、売却も一斉になります。
三田市のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
データは、すでにそうなっています
直近1年、三田市の成約は444件。建築年の帯で分けると、こうです。
戸建(228件)
- 1980年以前——12件、950万円(土地190㎡)
- 1981〜2000年——137件、2,000万円(土地225㎡)
- 2001〜2010年——27件、3,200万円(土地200㎡)
- 2011年以降——50件、4,100万円(土地183㎡)
マンション(178件)
- 1980年以前——0件
- 1981〜2000年——143件、1,400万円(専有85㎡)
- 2001〜2010年——17件、3,000万円(専有80㎡)
- 2011年以降——11件、2,200万円(専有60㎡)
戸建は228件のうち137件(60%)、マンションは178件のうち143件(80%)が、1981〜2000年に建った物件です。合わせて280件——市全体の成約444件の63%。

他の市と比べると、この偏りの異常さがわかります。伊丹市は2011年以降が戸建の47%、尼崎市は39%、明石市は44%。三田市だけが、30年前の1つの帯に集中しています。
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これが意味するのは、はっきりしています。売りに出したとき、比べられるのは同じ町内の、同じ年代の、同じような間取りの家です。
三田市の土地面積の中央値は、戸建で215㎡——兵庫県内19の市区でもっとも広い。1981〜2000年の帯に限れば225㎡です。広さでは差がつきません。全員が広いからです。
1㎡あたりの更地単価は約5.15万円(更地の成約28件)。姫路市5.7万円、淡路市2.3万円と並ぶ低い水準です。広さは、そのまま金額にはなりません。225㎡でも土地代は約1,159万円の計算です。
では何で差がつくのか。価格ではありません。同じ帯の家が同じように値下げすれば、順位は変わらないからです。

差がつくのは、この3つです
1つめ。「あと何年住めるか」の証拠。築30年前後の家で、買主が最も知りたいことです。屋根・外壁の塗装履歴、給湯器の交換時期、シロアリ防除の記録、水まわりの更新。領収書や保証書を1つのファイルにまとめるだけで、同じ通りの他の売り物と差がつきます。やっている売主が、ほとんどいないからです。
2つめ。タイミング。同じ年代の物件が一斉に出るということは、出る時期をずらせば競合が減るということでもあります。近所に売り物が3件出ているときに4件目として出すのと、1件も出ていないときに出すのでは、問い合わせの数が変わります。周辺の売り出し状況を見てから決めてください。
3つめ。マンションか戸建かで、戦い方が違う。三田市のマンションは178件のうち143件が1981〜2000年築で、集中度が80%と戸建より高い。マンションのほうが、競合が激しい。管理費・修繕積立金の水準、大規模修繕の実施履歴、エレベーターの有無が、直接に価格を分けます。管理組合の資料を先に取り寄せてください。

「もう少し待つ」が最も危ないケース
三田市に限っては、待つことのリスクが他の地域より大きくなります。理由は3つです。
- 供給の波は、まだ途中です。1987〜1996年に入居した世帯が、これから10年かけて動きます
- 建物は毎年古くなります。築30年と築35年では、買主の見方が変わります
- 土地の単価が低いため、地価上昇による下支えが弱い。1㎡5.15万円の水準では、待つあいだの建物の目減りを相殺しにくい
もちろん、待つべき事情がある方は待ってください。ただ「なんとなく様子を見る」は、三田市ではとくに高くつきます。
やってはいけないこと
ひとつめ。近所の売り出し価格を見て、それに合わせる。売り出し価格は「売れた価格」ではありません。3か月売れずに下げた物件の、最初の価格を基準にしないでください。
ふたつめ。「うちは角地だから」「南向きだから」で上乗せする。同じ年代の家が並ぶ街では、その差は買主にとって小さい。差がつくのは建物の状態です。
みっつめ。リフォームしてから売る。三田市の1981〜2000年帯の戸建は中央値2,000万円。ここに300万円のリフォーム費用を乗せても、回収は難しい。直すより、「直せる状態である」ことを記録で示すほうが効きます。
まずやること
- 屋根・外壁・給湯器・シロアリ防除の履歴を書き出し、領収書を集める
- 近所に現在いくつ売り物が出ているかを確認する
- マンションなら、管理組合から修繕積立金の残高と長期修繕計画を取り寄せる
- 建築年を確認する(1981〜2000年なら、競合の多い帯です)
- いまの査定を取る(待つ判断をするにも、基準が必要です)
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで三田市全体の中央値です。同じ市のなかでも、築年・土地面積・住区・駅距離で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。周辺の売り出し状況もあわせてご報告します。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。売却を決めていない段階でのご相談も承っています。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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