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三田市

三田市の売却にかかる費用と税金は?時期をずらして待つと3年10か月の期限を失います

2026.09.05
三田市の風景

三田市は「人口増加率日本一」を10年続けた街です。フラワータウン、ウッディタウン、カルチャータウン——同じ時期に一斉に分譲され、同じ世代が一斉に入居しました。

そして今、その世代の相続が始まっています。同じ町で、同じような家が、同じ時期に売りに出る。だから当社にはこういう相談が届きます。「近所に似た家が3軒出ています。少し時期をずらしたほうがいいでしょうか」

判断材料をひとつお伝えします。相続した不動産には、3年10か月という税制上の期限があります。相続税を納めた方が使える「取得費加算の特例」の期限で、これを過ぎると取得費に加算できる相続税額はゼロになります。そして三田市では、この特例がほぼ唯一の武器になります。理由は後述します。

この記事では、国土交通省の不動産情報ライブラリに登録された取引価格情報をもとに当社が集計した三田市の直近1年の成約データを使い、費用と税金を実額で計算します。

人口は県内2番目に減ったのに、マンションは20.3%上がりました

2025年国勢調査の速報で、三田市の人口は105,124人。2020年から4,114人減り、減少率3.77%は宝塚市(▲4.09%)に次ぐ大きさです。

ところが不動産の数字は逆を向いています。直近1年(2025年4月〜2026年3月)の中古マンションの㎡単価中央値は19.0万円で、4年前の15.8万円から約20.3%の上昇。当社が集計した阪神・北摂の市のなかで最も大きな上昇率でした。

この数字が信頼できるのは、両期間で売れた物件の築年中央値がどちらも1994年と一致しているためです。売れた物件が新しくなったことによる見かけの上昇ではありません。

戸建は総額中央値が2,500万円から2,600万円へ約4%、土地1㎡あたりは11.2万円から11.4万円とほぼ横ばい。動いているのは価格より取引量で、成約件数は95件から149件へ約57%増えました。土地面積の中央値は215㎡と、当社が扱うエリアで最も広い水準です。

駅 マンション㎡単価 70㎡換算 戸建総額中央値
三田 31.5万円(32件) 約2,210万円 1,850万円(18件)
南ウッディタウン 27.1万円(17件) 約1,890万円 2,700万円(17件)
ウッディタウン中央 24.7万円(9件) 約1,730万円 3,500万円(34件)
フラワータウン 17.9万円(45件) 約1,250万円 2,500万円(41件)
新三田 12.3万円(14件) 約860万円 3,700万円(7件)
広野 — — 1,550万円(8件)
相野 — — 1,100万円(21件)

市場の中心はニュータウン一斉分譲期の物件です。マンションを築年帯で見ると1991〜2000年築が75件と全体の6割を占め、この帯の㎡単価は15.6万円から18.0万円へ約15%、1981〜1990年築は14.5万円から17.3万円へ約19%、2001〜2010年築は31.1万円から35.3万円へ約14%上昇しました。一斉分譲期の層が上がっているのが三田の特徴です。

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三田市の実際の成約で、仲介手数料はいくらだったか

成約事例 価格 仲介手数料(税込) 印紙税
上井沢・戸建(広野徒歩10分・土地85㎡・1968年築) 180万円 33.0万円 ※ 1,000円
狭間が丘・マンション(フラワータウン徒歩6分・1991年築) 650万円 33.0万円 ※ 5,000円
三田町・マンション 750万円 33.0万円 ※ 5,000円
南が丘・戸建 800万円 33.0万円 ※ 5,000円
相野・戸建中央値 1,100万円 42.9万円 1万円
広野・戸建中央値 1,550万円 57.8万円 1万円
市のマンション中央値 1,600万円 59.4万円 1万円
あかしあ台・マンション(南ウッディタウン徒歩4分・1994年築) 1,600万円 59.4万円 1万円
三田・戸建中央値 1,850万円 67.7万円 1万円
フラワータウン・戸建中央値 2,500万円 89.1万円 1万円
市の戸建中央値 2,600万円 92.4万円 1万円
すずかけ台・戸建(南ウッディタウン徒歩15分・土地230㎡) 2,700万円 95.7万円 1万円
ウッディタウン中央・戸建中央値 3,500万円 122.1万円 1万円
すずかけ台・マンション(南ウッディタウン徒歩5分・2008年築) 3,700万円 128.7万円 1万円
狭間が丘・戸建(土地365㎡・2016年築) 5,800万円 198.0万円 3万円

※印は、令和6年7月1日施行の報酬告示改正による「低廉な空家等」の特例(売買価格800万円以下・報酬上限は30万円の1.1倍=税込33万円)を適用した場合の上限額です。三田市の成約事例54件のうち、この価格帯は4件のみ。当社が扱うエリアで最も少なく、それだけ市場全体の価格水準が保たれているということでもあります。

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【三田市の事情】空き家の3,000万円控除が、ほとんど使えません

相続した実家を売るとき、最も効くのは被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除です。ところが三田市では、この特例が使える物件がごく限られます。

理由は要件の1行目です。「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること」。

三田市のニュータウンは、フラワータウンが1980年代前半から、ウッディタウンが1990年代から順次分譲されました。市場の中心である一斉分譲期の住宅は、そのほとんどが昭和56年6月1日以後の建築です。マンションについては、そもそも区分所有建物登記がされている建物が対象から除かれているため、築年に関係なく使えません。

「相続した家だから3,000万円控除が使えるはず」という前提で計画を立てると、三田市では想定が外れます。登記事項証明書で建築年月日を確認してください。「昭和56年築」というだけでは判断できません。月日まで見る必要があります。

だから三田市では「取得費加算」が武器になります

空き家特例が使えない場合に残るのが、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算)です。相続税を納めた方が、その相続税額のうち譲渡した財産に対応する部分を、取得費に加算できる制度です。

適用要件は3つです。

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

3つ目が期限です。相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月ですので、実質的には相続開始からおよそ3年10か月ということになります。

加算できる金額は、次の式で計算します。

相続税額 × 譲渡した財産の相続税評価額 ÷(取得財産の価額+相続時精算課税適用財産の価額+純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産の価額)

加算額が譲渡益を超える場合は、譲渡益相当額が限度です。

なお、この取得費加算と空き家の3,000万円特別控除は、同一の資産について重複して適用することはできず、選択適用になります(この点は確度85%程度の理解として記載しています。必ず税理士にご確認ください)。要件を満たすなら3,000万円控除のほうが有利になるケースが大半ですが、三田市では前述のとおりそもそも使えない物件が多くなります。

あかしあ台の戸建2,700万円で計算します

前提:相続で取得した土地230㎡の戸建を2,700万円で売却。被相続人の購入時の契約書はなく、取得費は売却価格の5%。この不動産に対応する相続税額は150万円。所有期間は被相続人の取得日を引き継ぐため長期譲渡。

項目 A:3年10か月以内に売る B:期限を過ぎてから売る
売却価格 2,700万円 2,700万円
取得費(概算5%) 135万円 135万円
取得費加算(相続税額分) 150万円 0円
譲渡費用(手数料95.7万円+印紙1万円) 96.7万円 96.7万円
譲渡所得 2,318.3万円 2,468.3万円
譲渡所得税・住民税(20.315%) 約471.0万円 約501.4万円

差は約30.4万円です。3,000万円控除ほどの大きさはありませんが、期限を過ぎれば確実にゼロになる金額です。相続税額が大きい方ほど、加算できる額も大きくなります。

「近所と時期をずらす」判断は、期限と並べて考えてください

三田市では、同じ年に建った家が同じ時期に売りに出ます。近隣に競合が並ぶと成約までの期間が延び、価格の下押し圧力もかかります。「少し時期をずらそう」という判断そのものは合理的です。

ただし、相続した不動産には次の期限が同時に走っています。

制度 期限
取得費加算の特例 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日(実質およそ3年10か月)
空き家の3,000万円特別控除(使える場合) 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日/制度の適用期限は令和9年12月31日
相続登記の義務 取得を知った日から3年以内(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)

1年待つ判断は、これらの残り時間を1年削ることと同じです。競合を避けて100万円高く売れたとしても、期限切れで取得費加算を失えば差し引きで損をすることがあります。

一斉供給への対処法そのものは同じ年に建った家が、一斉に売りに出るとき(三田市)、近所に同じような家が、何軒も出ているとき(三田市)で扱っています。待つ以外の打ち手があるかを先に検討してください。

仲介手数料・印紙税以外にかかる費用

  • 相続登記——2024年4月1日から義務化。相続した不動産は、この登記が済んでいないと売却手続きに入れません。司法書士報酬を含めて5万円〜15万円程度が目安(不動産の数と相続人の人数により変動)
  • 抵当権抹消登記——登録免許税は不動産1個につき1,000円、司法書士報酬を含めて1万5,000円〜2万円程度
  • 確定測量——35万円〜60万円程度。土地面積の中央値が215㎡と広く、ニュータウンの造成地では隣接地の筆数も多くなります
  • 解体費用——木造で坪4万円〜5万円程度。土地を売るために取り壊した場合の取壊し費用とその建物の損失額は譲渡費用になります
  • 残置物処分——戸建1軒で20万円〜50万円程度。相続物件は家財がそのまま残っているケースが多く、上振れします
  • 空き家期間の維持費——固定資産税、電気・水道の基本料金、庭の管理。売却が長引くほど積み上がります

よくある質問

Q. 相続した家に、空き家の3,000万円控除は使えますか?
A. 三田市では使える物件が限られます。この特例は「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること」が要件で、フラワータウン・ウッディタウンなど一斉分譲期の住宅はそのほとんどが昭和56年6月1日以後の建築です。またマンションは区分所有建物登記がされている建物として対象から除かれるため、築年に関係なく使えません。登記事項証明書で建築年月日を月日まで確認してください。

Q. では、相続した不動産で使える制度はありますか?
A. 相続税を納めた方であれば、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算)があります。相続税額のうち譲渡した財産に対応する部分を取得費に加算できる制度で、期限は「相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」——実質的には相続開始からおよそ3年10か月です。あかしあ台の戸建2,700万円・対応する相続税額150万円という前提で試算すると、期限内なら約471.0万円、期限後なら約501.4万円で、差は約30.4万円になります。なお相続税が課税されていない場合は対象外です。

Q. 近所に同じような家が何軒も出ています。時期をずらすべきですか?
A. 競合を避ける判断自体は合理的ですが、相続した不動産には期限が走っています。取得費加算は相続開始からおよそ3年10か月、空き家特例(使える場合)は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日、相続登記の義務は取得を知った日から3年以内です。1年待つことは、これらの残り時間を1年削ることと同じです。待つ以外の打ち手があるかを先に検討してください。

Q. 三田市で家を売ると、仲介手数料はいくらですか?
A. 実際の成約価格で計算すると、市の戸建中央値2,600万円で約92.4万円、中古マンション中央値1,600万円で約59.4万円、ウッディタウン中央の戸建中央値3,500万円で約122.1万円、狭間が丘の5,800万円(土地365㎡・2016年築)で約198.0万円です。売買価格800万円以下の物件は令和6年7月1日施行の報酬告示改正により上限が税込33万円となりますが、三田市では成約事例54件のうち4件のみと少なくなっています。

Q. 人口が減っているのに、なぜマンションが上がっているのですか?
A. 中古マンションの㎡単価中央値は15.8万円から19.0万円へ約20.3%上昇しました。両期間で売れた物件の築年中央値がどちらも1994年と一致しているため、物件構成の変化による見かけの上昇ではありません。築年帯別では1991〜2000年築が75件と全体の6割を占め、この層が15.6万円から18.0万円へ約15%上昇しています。市の人口動向と、個別の住宅に対する需要は別ものです。

まとめ——三田市は「期限」で判断してください

三田市の不動産売却でかかる費用は、市の戸建中央値2,600万円で売却価格の約3.6%、実額では仲介手数料92.4万円が中心です。

ただし三田市で結果を分けるのは、次の点です。

  1. 空き家の3,000万円控除は使えないことが多い——昭和56年5月31日以前の建築という要件に、一斉分譲期の住宅はほぼ該当しません
  2. 取得費加算が現実的な選択肢——相続税を納めた方が対象。期限は相続開始からおよそ3年10か月です
  3. 「時期をずらす」判断は期限と並べて——1年待つことは残り時間を1年削ることです
  4. 相続登記を先に——済んでいないと売却手続きに入れません。義務化されており過料の対象にもなります
  5. 土地215㎡という広さは費用にも効きます——測量・解体・残置物処分がいずれも上振れしやすくなります

三田市の相場データは三田市の不動産売却のページで、駅別・町丁別に公開しています。マンションの詳細は三田市のマンション売却相場【2026年最新】、町別の実勢は土地210㎡の戸建が2,700万円。あかしあ台の26件をご覧ください。

査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「相続した家の期限が、いつまでなのか」だけを確認したい、というご相談でも構いません。

出典:成約データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計。人口は2025年国勢調査人口速報集計。税制は国税庁タックスアンサーNo.3267(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)・No.3302・No.3305・No.3306・No.7108。取得費加算と空き家の3,000万円特別控除の併用可否については個別に税理士へご確認ください。仲介手数料の特例は令和6年7月1日施行の報酬告示改正による。解体費用・残置物処分費用・登記費用・測量費は一般的な目安であり、実際の金額は現地条件によって変わります。掲載の税額はいずれも一定の前提を置いた試算で、相続税額・取得費は仮定値です。最終的な判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。

この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)

この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。

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