須磨区の家、内見で買主はどこを見ている?入居後にかかる金額です

内見の前の晩、掃除機をかけ、玄関に花を置き、照明を全部つけておく。当日、買主は30分ほど部屋を見て、丁寧にお礼を言って帰っていく。——そして、申込みは来ない。
部屋はきれいだったはずです。買主が内見で確かめていたのは、きれいさではなく、入居したあとにいくらかかるかでした。
須磨区で成約した中古マンションの建築年の中央値は1988年、築38年です。301件のうち、1981年以前に建てられたものが96件(32%)ありました。当社が同席する内見でも、築年が進んだ物件ほど、床や壁ではなく見えない部分の年式を聞かれます。
この記事で書くのは、この一点だけです。内見で買主が見ているのは、入居後にかかる金額である。須磨区の中古マンションの築年から、買主がどこを見るかを順に確かめます。
須磨区で成約した中古マンションは、いつ建てられたものか
須磨区で成約した中古マンションのうち、建築年が記録されている301件を4つの年代に分けました。1981年と1982年の間で区切っているのは、中古住宅の住宅ローン控除の要件が「昭和57年(1982年)1月1日以後に建築」となっているためです。
| 建築年 | 成約件数 | 割合 | 価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 1981年以前 | 96件 | 32% | 490万円 |
| 1982〜2000年 | 112件 | 37% | 1,200万円 |
| 2001〜2010年 | 44件 | 15% | 3,250万円 |
| 2011年以降 | 49件 | 16% | 3,900万円 |
いちばん多いのは1982〜2000年の112件です。1981年以前の中古マンションも96件あり、全体の32%を占めます。10件未満の年代は、中央値が振れやすいため価格を省略しています。
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約価格)。集計期間は2025年4月〜2026年3月の1年分です。
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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
なぜ、買主は入居後の金額を見るのか
理由は3段あります。1段目は買主の心配、2段目は税金、3段目は築年ごとの見どころです。
1段目:隠れた不具合と、あとからかかる修繕費
国土交通省の「令和7年度 住宅市場動向調査」では、新築住宅を取得した世帯に中古住宅を選ばなかった理由を聞いています。最も多い「せっかくのマイホームは新築の方が気持ち良いから」に続く上位の項目に、「隠れた不具合が心配だったから」と「リフォーム費用やメンテナンス費用で結局割高になると思ったから」が入っています。中古を買う買主も、同じ心配を抱えたまま内見に来ます。
2段目:建築年で、税金の扱いが変わる
国税庁の案内では、中古住宅で住宅ローン控除を受ける要件の一つが「昭和57年1月1日以後に建築されたもの」です。それより前の建物は、耐震基準に適合することの証明などが別に必要になります。須磨区では1981年以前の中古マンションも96件成約しており、買主はこの証明にかかる費用と手間も、入居後の金額に数えます。
3段目:築年ごとに、見る場所が決まっている
当社の見方
築20年前後のお部屋では、給湯器・浴室・キッチンの交換時期が見られます。築30年を超えると、専有部分の給排水管が交換されているか、管理組合の大規模修繕が何回終わっているか、修繕積立金が足りているかに目が移ります。買主は、自分が払うことになる次の工事の時期と金額を探しています。これは当社が内見に同席してきた中で見てきたことで、統計で示せる数字ではありません。
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正直に申し上げます。この表からは、お部屋のどこが見られるかは出ません。出るのは、須磨区で取引されている中古マンションの年代の分布だけです。
お部屋の建築年を上の表に当てはめ、次の場所の状態を確かめてください。
- 給湯器——本体に製造年のシールが貼られています
- 浴室・キッチン・トイレ——入居時のままか、交換したか、その年
- 専有部分の給排水管——交換やリフォームの記録があるか
- 管理組合の長期修繕計画——次の大規模修繕の時期と、積立金の残高
当社の見方
内見のために数百万円をかけて改装することは勧めません。かけた費用がそのまま売却価格に上乗せされる根拠はなく、自分の好みで直したい買主にはかえって合いません。工事より先に、いつ何を直したかを答えられる状態にするほうが、買主の心配に直接届きます。これは当社の見方で、統計で示せる数字ではありません。
今日、ひとつだけやるなら
設備と修繕の年を、1枚の紙に書き出してください。給湯器、浴室、キッチン、トイレ、給排水管、そして管理組合の大規模修繕。分からないところは空欄で構いません。費用はかかりません。
内見で買主が聞くのは、ほとんどこの紙に書いてあることです。聞かれてから探すのではなく、先に渡せる状態にしておくと、「隠れた不具合」の心配がその場で小さくなります。書き出した内容をお持ちいただければ、それを踏まえた金額をお出しします。須磨区の種別ごとの取引データは須磨区の不動産売却にまとめています。
よくある質問
須磨区で築年数が古い中古マンションを売るとき、内見の前にリフォームしたほうがよいですか?
内見のために大きな改装をすることは勧めていません。国土交通省の住宅市場動向調査では、新築を買った世帯が中古住宅を選ばなかった理由の上位に「隠れた不具合が心配」「リフォーム費用やメンテナンス費用で結局割高になる」が入っています。工事をするより先に、設備の交換時期や修繕の履歴を書き出して、買主に渡せる状態にしてください。
1981年以前に建てられた家は、住宅ローン控除が使えないのですか?
国税庁の案内では、中古住宅で住宅ローン控除を受ける要件の一つが「昭和57年1月1日以後に建築されたもの」です。それより前の建物でも、耐震基準に適合することの証明などがあれば要件を満たせる場合があります。個別の適用は、税務署または税理士にご確認ください。
まとめ
須磨区で成約した中古マンションは、建築年の中央値が1988年、1981年以前が96件(32%)です。築年が進んだ物件の内見で、買主が見ているのは入居後にかかる金額です。
中古を選ばない理由の上位には「隠れた不具合」と「あとからかかる費用」が挙がっています。内見の前にやることは、大きな改装ではなく、設備と修繕の年を書き出して渡せる状態にすることです。
出典
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」成約価格情報(建築年・価格)
- 国土交通省 住宅局「令和7年度 住宅市場動向調査 報告書」(令和8年7月)
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
建築年が記録されている取引のみの集計です。住宅ローン控除の適用には、床面積や所得などほかの要件もあります。
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