須磨区で親が建てたニュータウンの家を引き継いだら、最初に何をしますか?

親が亡くなって、名谷や北須磨の家を引き継いだ。自分は大阪に住んでいて、帰るつもりはない。「たぶん2,000万円くらいにはなるだろう」——親が買ったときの話を、なんとなく覚えている。
神戸市須磨区でよくある入り口です。そして、実際の金額を聞いて絶句される。いちばん多い誤解は、金額そのものより「戸建かマンションか」で結論が真逆になることを知らずに考え始めてしまうことです。
須磨区の成約データは、そこがはっきり分かれます。最初にやるべきことは、たった一つ。自分が引き継いだのが、どの帯の物件なのかを確認することです。
同じ須磨区で、9.4倍の開きがあります
直近1年、須磨区の中古マンションの成約は416件。建築年で分けると、こうなります。
- 1980年以前——131件、420万円(専有70㎡)
- 1981〜2000年——156件、1,200万円(専有75㎡)
- 2001〜2010年——60件、3,200万円(専有75㎡)
- 2011年以降——62件、3,950万円(専有75㎡)
いちばん古い帯と、いちばん新しい帯で9.4倍です。専有面積はどの帯も70〜75㎡でほぼ同じ。広さの違いではありません。

ここで注目していただきたいのは、420万円という金額ではありません。131件という件数のほうです。
416件のうち131件、31.5%が1980年以前の物件です。これだけの数が、実際に売買されている。「古い団地は売れない」というのは、事実ではありません。売れています。ただし、その価格で、です。
神戸市須磨区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
査定は無料です。その後の売却をお約束いただく必要はありません。
株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
戸建なら、話が変わります
いっぽう戸建(土地と建物)は284件。こちらは景色が違います。
- 1980年以前——57件、930万円(土地120㎡)
- 1981〜2000年——107件、2,300万円(土地145㎡)
- 2001〜2010年——19件、3,100万円(土地140㎡)
- 2011年以降——95件、4,000万円(土地120㎡)
いちばん古い帯でも930万円。マンションの420万円の2.2倍です。理由は単純で、戸建には土地が残るからです。須磨区の土地は1㎡あたり約15万円。土地120㎡なら、それだけで約1,800万円の計算になります(更地としての条件がそろっていれば、の話ですが)。

マンションは建物の価値がゼロに近づくと、そこで止まりません。管理費と修繕積立金という「持ち続ける費用」が残るため、価格はさらに下を向きます。戸建には土地という下支えがある。この構造の違いが、須磨区の相続では決定的に効きます。

読みながら、今の価格だけ先に知る。
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1. 登記事項証明書を取る。法務局で誰でも取れます(1通600円、オンラインなら安くなります)。ここで、名義が誰か、建築年はいつか、抵当権が残っていないかが、すべてわかります。この1通で、上の表のどの行に自分がいるかが決まります。
2. マンションなら、管理費・修繕積立金の滞納を確認する。管理会社に聞けばわかります。滞納があると、買主が引き継ぐことになるため、その分だけ価格が下がります。420万円の物件で50万円の滞納があれば、影響は小さくありません。
3. 相続人が誰かを確定させる。戸籍を遡って集めます。相続人が全員そろって同意しないと、売買契約は成立しません。ここに時間がかかることが多い。
4. そのうえで、査定を取る。1〜3が終わる前に査定を取っても、条件が確定していないので数字が動きます。
期限のある話
相続登記は2024年4月から義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象です。2024年3月以前に発生した相続も対象で、こちらは2027年3月末が期限になります。そして実務上、登記が済んでいない不動産は売れません。
「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円の特別控除」にも期限があります。相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。一定の要件(昭和56年5月31日以前建築、区分所有建物でないこと、耐震基準への適合または取壊しなど)がありますが、使えれば譲渡所得から最大3,000万円を引けます。
なおこの控除は、区分所有建物(マンション)は原則として対象外です。須磨区の古い団地の多くはマンションですから、ここは期待しすぎないでください。
※税制は改正されます。適用可否は税理士または所轄税務署にご確認ください。
やってはいけないこと
ひとつめ。「親が買ったときの値段」を基準に考える。1970年代に須磨ニュータウンで購入した価格は、いまの市場と関係がありません。基準にすると、いつまでも売れない価格を出し続けることになります。
ふたつめ。相続登記をしないまま、何年も置く。時間が経つほど相続人が増えます(相続人が亡くなると、その子どもたちに権利が移ります)。10人、20人と関係者が増えてから売ろうとすると、全員の実印を集めることになります。
みっつめ。マンションで、リフォームしてから売ろうとする。420万円の価格帯にリフォーム費用を上乗せしても、回収できません。この帯を買うのは、自分で直す前提の方か、投資目的の方です。
まずやること
- 法務局で登記事項証明書を取る(名義・建築年・抵当権を確認)
- マンションなら管理会社に滞納の有無を問い合わせる
- 相続人が誰かを確定させる(戸籍の収集)
- 建築年の帯がわかったら、その帯の相場で査定を依頼する
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで須磨区全体の中央値です。同じ区のなかでも、築年・種別・階数・管理状態で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。売却を決めていない段階でのご相談も承っています。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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