須磨区で「この価格では無理」と言われました。本当でしょうか?

「その価格では、正直むずかしいと思います」
セカンドオピニオンを求めて別の会社に相談したら、こう言われた。いま依頼している会社は「もう少し待ちましょう」と言っている。どちらを信じればいいのか。
神戸市須磨区で、この判断に迷う方が多いのには理由があります。須磨区は、同じ区の中で価格が9.4倍ちがう区だからです。自分がどの帯にいるかを取り違えると、いくら考えても答えが出ません。
まず、査定額と売り出し価格は別のものです
混同されがちなので、先に整理します。
査定額——「この条件なら、これくらいで成約するだろう」という見込み額です。過去の成約事例から出します。
売り出し価格——実際に市場に出す価格。通常は査定額より数%上に設定します。買い手からの値引き交渉を見込むためです。
問題は、その「数%」が何%かです。査定額の5%増しなら普通の範囲、20%増しなら市場から浮きます。そして20%増しで出していると、内見も問い合わせも入らないまま3か月が過ぎます。
ですから聞くべき質問は「高いですか」ではありません。「査定額はいくらで、いまの売り出し価格はその何%上ですか」です。

神戸市須磨区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
須磨区は、帯を取り違えると絶望的にずれます
直近1年、須磨区の成約は747件。月にならすと約62件です。中古マンション416件(月35件)、戸建284件(月24件)、更地47件(月3.9件)。
問題はマンションの中身です。

- 1980年以前——131件(月10.9件)、420万円、専有70㎡
- 1981〜2000年——156件(月13件)、1,200万円、専有75㎡
- 2001〜2010年——60件(月5件)、3,200万円、専有75㎡
- 2011年以降——62件(月5.2件)、3,950万円、専有75㎡
専有面積はどの帯も70〜75㎡でほぼ同じなのに、価格は9.4倍ちがいます。広さの差ではなく、建築年の差です。
ここで何が起きるか。「須磨区のマンションの相場は1,400万円くらい」という区全体の中央値を基準にすると、1980年以前の物件をお持ちの方は3倍以上の価格で出してしまいます。それでは売れません。
逆に2011年以降の物件をお持ちの方が1,400万円を基準にすれば、大きく損をします。
読みながら、今の価格だけ先に知る。
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戸建284件は、1980年以前が57件で930万円(土地120㎡)、1981〜2000年が107件で2,300万円(土地145㎡)、2001〜2010年が19件で3,100万円、2011年以降が95件で4,000万円。
マンションよりは緩やかですが、それでも4.3倍の開きがあります。戸建には土地が残るぶん、下限が支えられています。須磨区の更地の1㎡あたり単価は約15.0万円。土地120㎡なら計算上は約1,800万円になります(接道条件が整っていれば、の話ですが)。

2社の意見が割れたときの見分け方
「その価格では無理」と「もう少し待ちましょう」。どちらが正しいかは、次を聞けばわかります。
質問1「参照した成約事例を、何件、どれとどれで見ましたか」
件数と物件を言えるかどうか。「相場から」「経験上」しか返ってこないなら、事例を見ていません。
質問2「うちの物件と同じ築年帯の事例で比べていますか」
須磨区では、これが決定的です。帯をそろえていない比較には意味がありません。
質問3「待つ場合、いつまで待って、そのあとどうしますか」
「もう少し待ちましょう」に期限と次の一手がなければ、それは方針ではなく先送りです。
この3つに答えられるほうを信じてください。金額の高低ではありません。
やってはいけないこと
ひとつめ。区全体の中央値を自分の基準にする。須磨区で9.4倍の開きがある以上、区の平均値は誰の目安にもなりません。自分の築年帯の数字を出してもらってください。
ふたつめ。高い査定を出した会社に乗り換える。査定額は売れる保証ではありません。高く出して契約を取り、1か月後に値下げを持ちかける手法は実在します。金額ではなく根拠で選んでください。
みっつめ。セカンドオピニオンを取ったことを、いまの会社に隠す。隠す必要はありません。むしろ「他社では◯◯と言われました。どう思われますか」と伝えると、話が具体的になります。媒介契約を続けたまま、他社の意見を聞くことに問題はありません。
まずやること
- 登記事項証明書か管理規約で、建築年を正確に確認する
- その築年帯の中央値を、いまの会社に出してもらう
- いまの売り出し価格が、査定額の何%上かを聞く
- 上の質問1〜3を、両方の会社に同じように聞く
- 根拠を説明できたほうの見立てで、次の3か月を決める
ご自宅がいくらで売れるか、調べてみませんか
ここまでの数字は、あくまで須磨区全体の中央値です。同じ区のなかでも、築年・種別・階数・管理状態で価格は大きく変わります。
株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。国土交通省の成約データと、各自治体の統計をもとに、お住まいの地域の実勢に沿った査定をご提供しています。参照した成約事例と、築年帯をそろえた比較もあわせてご説明します。
「いま売ったらいくらか」を知っておくだけでも、判断の材料になります。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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