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入居開始から56年。白川台のマンションは415万円になった

2026.08.27
神戸市須磨区の風景

神戸市須磨区の白川台で、直近1年に成約した中古マンション22件。中央値は415万円でした。

専有70㎡で415万円。㎡あたり6万円を切ります。

この町に人が住み始めたのは1970年です。今年で56年目にあたります。神戸市の公表資料と成約データから、半世紀が経ったニュータウンで何が起きているのかを見ていきます。

白川台は、どうやってできた町ですか?

結論:須磨ニュータウンを構成する6団地のひとつで、入居開始は1970年(昭和45年)です。

神戸市須磨区白川台の道路と沿道の建物。奥の丘に集合住宅が並ぶ
白川台の街路。須磨ニュータウンは計画人口113,000人、面積900ヘクタールで、白川台はその6団地のひとつ。写真:Wikimedia Commons

神戸市須磨区が公表している須磨ニュータウンの年表によると、この事業は計画人口113,000人、面積900ヘクタール。高倉台、横尾、名谷、落合、白川台、北須磨の6団地で構成されています。

始まりは1958年(昭和33年)の多井畑での土取りです。1960年には鶴甲山(灘区)からの採取が始まり、1964年に須磨ベルトコンベヤが運転を開始しました。山を削った土で海を埋め立て、削った跡地を住宅地にする。神戸が戦後に選んだ方法です。

入居開始の順は、1967年の北須磨団地、1970年の白川台・緑ヶ丘団地、1972年の高倉台、1975年の名谷、1978年の落合、1979年の横尾。白川台は6団地のなかで2番目に古い地区です。

ベルトコンベヤが停止したのは2005年(平成17年)。事業開始から47年が経っていました。

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いま、この町で何が起きていますか?

結論:人口▲9.7%、世帯数▲6.3%。世帯まで減っています。

白川台の人口を2021年と2026年で比較した表。人口は8,555人から7,725人へ9.7%減、世帯数も6.3%減
図解① 白川台の人口(2021年6月30日・2026年6月30日)。出典:神戸市「住民基本台帳に基づく人口(町丁目別・年齢別)」をもとに株式会社Estate&Co.作成

人口8,555人から7,725人へ、830人減りました。世帯数も4,497から4,213へ、284世帯減っています。

これは重要な違いです。神戸市全体では、人口が減っても世帯数は増えています(市の世帯数は5年で4.3%増)。白川台は世帯そのものが減っている、つまり住まいを必要とする単位が減っている町です。

高齢化率は36.2%から37.3%へ上昇。1970年に30代で入居した人は、いま80代半ばです。最初の世代の住み替えと退去が、同時に進んでいます。

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不動産はいくらで動いていますか?

結論:マンション415万円、戸建2,100万円。5倍の差があります。

白川台の直近1年の成約中央値を種類別に示した2つの表。マンション415万円築1978年、戸建2,100万円土地170㎡
図解② 白川台・直近1年の成約中央値(35件)。出典:国土交通省 不動産情報ライブラリをもとに株式会社Estate&Co.作成

マンションは22件で415万円、専有70㎡、築1978年、駅徒歩23分。戸建は11件で2,100万円、土地170㎡、延床125㎡、築1992年です。

マンションの築年1978年は、白川台の入居開始(1970年)から8年後にあたります。まさに最初の世代の住まいが市場に出ているということです。

専有70㎡で415万円という水準は、建物の残存価値がほとんど評価されていないことを意味します。一方、土地170㎡を持つ戸建は2,100万円。土地があるかどうかが5倍の差になっています。

成約35件のうち、築1981年以前が18件。半分以上が旧耐震です。

売主にとって、この数字は何を意味しますか?

1つめ。マンションの売却は、価格よりも「売れるかどうか」が論点になります。415万円という水準では、リフォーム費用を上乗せすると買主の総予算を超えることがあります。売り出す前に、管理費・修繕積立金の月額を確認してください。この価格帯では、月々のランニングコストが購入判断を左右します。

2つめ。世帯数が減っている町だという事実を直視してください。人口だけでなく世帯が6.3%減っています。需要そのものが縮んでいる以上、「待てば買い手が現れる」という前提は成り立ちにくい。売ると決めているなら、時期を先延ばしする合理性は乏しいと考えます。

3つめ。戸建・土地は別の話です。土地170㎡で2,100万円が出ています。この規模の土地は、建て替えや二世帯を考える層にとって現実的な選択肢です。建物ではなく土地として売るという組み立てが有効な場合があります。

やらないほうがよいこと:「ニュータウンだから一律に安い」と考えることです。須磨ニュータウンは6団地あり、入居開始が1967年から1979年まで12年ひらいています。団地が違えば市場も違います。

まとめ

  • 白川台は須磨ニュータウン6団地のひとつで、入居開始は1970年。今年で56年目
  • 須磨ニュータウンは計画人口113,000人・面積900ha。1960年には鶴甲山からも土砂を採取した
  • 人口は5年で▲9.7%、世帯数も▲6.3%。住まいを必要とする単位が減っている
  • マンション415万円(22件・専有70㎡・築1978年)、戸建2,100万円(11件・土地170㎡)で5倍
  • 成約35件のうち18件が築1981年以前

株式会社Estate&Co.は神戸市中央区京町に本店を置く不動産売却専門店です。白川台の売却について、管理費水準や土地としての評価まで踏まえた査定をご提供しています。

この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)

この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。

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