宝塚市の売却にかかる費用と税金は?擁壁を直しても税金は1円も減りません

宝塚市の住宅地は、坂の上にあります。逆瀬川から上がった宝梅、小林の高台、中山桜台、すみれガ丘、長寿ガ丘。擁壁と階段状の造成でできた街です。
そのため、売却前に必ず出てくるのがこの相談です。「擁壁が傷んでいるので、直してから売ったほうがいいでしょうか」
判断材料としてお伝えしておくべきことがあります。擁壁の補修費は、譲渡費用になりません。国税庁は譲渡費用にならないものとして「修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用」を明示しています。200万円かけても、税金は1円も減りません。ところが同じ200万円でも、建物の取壊し費用なら譲渡費用になります。使い道が違うだけで、税額は約40.6万円変わります。
この記事では、国土交通省の不動産情報ライブラリに登録された取引価格情報をもとに当社が集計した宝塚市の直近1年の成約データを使い、費用と税金を実額で計算します。
宝塚市は、人口が減っているのに戸建が上がっている市です
2025年国勢調査の速報で、宝塚市の人口は217,163人。2020年から9,269人減り、減少率4.09%は阪神間で最大でした(西宮市▲0.57%、尼崎市▲0.53%、伊丹市▲1.51%、川西市▲1.72%)。
ところが不動産の数字は逆を向いています。戸建の成約総額中央値は3,000万円から3,500万円へ約16.7%、土地1㎡あたりでは20.5万円から23.2万円へ約13.2%の上昇。成約件数は176件から298件へ約69%増えました。
市全体の人口が減っても、条件のよい住宅地に買主が集中すればそのエリアの価格は上がります。売主として見るべきは市の人口動向ではなく、ご自宅のあるエリアに買主がついているかどうかです。
| 駅 | 戸建総額中央値 | マンション㎡単価 | 70㎡換算 |
|---|---|---|---|
| 宝塚南口 | 4,850万円(18件) | 51.3万円(63件) | 約3,590万円 |
| 清荒神 | 4,400万円(20件) | 39.2万円(20件) | 約2,750万円 |
| 山本 | 4,200万円(27件) | 25.7万円(23件) | 約1,800万円 |
| 中山寺 | 4,000万円(13件) | 35.0万円(12件) | 約2,450万円 |
| 売布神社 | 3,800万円(29件) | 26.0万円(15件) | 約1,820万円 |
| 中山観音 | 3,600万円(29件) | 11.8万円(36件) | 約830万円 |
| 仁川 | 3,450万円(12件) | 33.8万円(24件) | 約2,370万円 |
| 宝塚 | 3,400万円(42件) | 30.7万円(102件) | 約2,150万円 |
| 小林 | 3,400万円(27件) | 20.0万円(27件) | 約1,400万円 |
| 逆瀬川 | 3,000万円(45件) | 18.8万円(51件) | 約1,320万円 |
| 雲雀丘花屋敷 | 2,900万円(22件) | 19.3万円(10件) | 約1,350万円 |
マンションの㎡単価は宝塚南口51.3万円に対し中山観音11.8万円で4.3倍。ところが戸建の中央値では宝塚南口4,850万円・中山観音3,600万円と1.3倍しかありません。種別によって「どこが高いか」がまったく違う市です。
宝塚市のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
宝塚市の実際の成約で、仲介手数料はいくらだったか
| 成約事例 | 価格 | 仲介手数料(税込) | 印紙税 |
|---|---|---|---|
| 長寿ガ丘・戸建(宝塚徒歩20分・土地220㎡・1981年築) | 100万円 | 33.0万円 ※ | 500円 |
| 宝梅・マンション(逆瀬川徒歩13分・1969年築) | 130万円 | 33.0万円 ※ | 1,000円 |
| 中山五月台・マンション | 300万円 | 33.0万円 ※ | 1,000円 |
| 宝梅・マンション | 560万円 | 33.0万円 ※ | 5,000円 |
| ふじガ丘・戸建 | 700万円 | 33.0万円 ※ | 5,000円 |
| 亀井町・マンション | 730万円 | 33.0万円 ※ | 5,000円 |
| 市のマンション中央値 | 2,000万円 | 72.6万円 | 1万円 |
| 平井・マンション(山本徒歩11分・1998年築) | 2,100万円 | 75.9万円 | 1万円 |
| 逆瀬川・戸建中央値 | 3,000万円 | 105.6万円 | 1万円 |
| 宝塚・戸建中央値 | 3,400万円 | 118.8万円 | 1万円 |
| 市の戸建中央値 | 3,500万円 | 122.1万円 | 1万円 |
| 安倉北・戸建(売布神社徒歩20分・2025年築) | 3,600万円 | 125.4万円 | 1万円 |
| 宝塚南口・戸建中央値 | 4,850万円 | 166.7万円 | 1万円 |
| 南口・戸建(宝塚南口徒歩5分・土地370㎡・1999年築) | 1億4,000万円 | 468.6万円 | 6万円 |
| 武庫川町・マンション(清荒神徒歩7分・200㎡・2008年築) | 1億6,000万円 | 534.6万円 | 6万円 |
※印は、令和6年7月1日施行の報酬告示改正による「低廉な空家等」の特例(売買価格800万円以下・報酬上限は30万円の1.1倍=税込33万円)を適用した場合の上限額です。宝塚市の成約事例54件のうち6件がこの価格帯に入ります。
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譲渡所得は「売却価格−取得費−譲渡費用」で計算します。この譲渡費用に何が入るかは、国税庁が明確に定めています。
| 譲渡費用になるもの | 譲渡費用にならないもの |
|---|---|
| 土地や建物を売るために支払った仲介手数料 | 修繕費 固定資産税 その他その資産の維持や管理のためにかかった費用 売った代金の取立てのための費用 |
| 印紙税で売主が負担したもの | |
| 貸家を売るため、借家人に明け渡してもらうときに支払う立退料 | |
| 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額 | |
| 既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金 | |
| 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など |
擁壁の補修、外壁塗装、屋根の葺き替え、水回りのリフォーム——これらはすべて修繕費であり、譲渡費用になりません。「売るために必要だったから」という理由では認められません。
同じ200万円でも、使い道で40.6万円変わります
長期譲渡(税率20.315%)で、譲渡所得が3,000万円特別控除の枠を超えている前提で計算します。
- 擁壁の補修に200万円——譲渡費用にならないため、税額の減少は0円。手取りはそのまま200万円減ります
- 建物の取壊しに200万円(土地として売るため)——譲渡費用になるため、税額が約40.6万円減ります
もちろん擁壁の補修が買主の安心につながり、売却価格が上がるなら意味はあります。ただし「税金が減るから」という理由で判断すると、計算が合いません。補修するかどうかは、価格にいくら跳ね返るかだけで判断してください。
逆に、購入時の造成費・擁壁工事費は取得費に入ります
ここが宝塚市の売主にとって、いちばん取り逃がしやすいところです。
購入したとき、あるいは所有中に行った造成工事・擁壁の新設・大規模な土留め工事の費用は、土地の取得費に加算できます。維持管理のための修繕とは扱いが違い、土地の価値を高める資本的支出にあたるためです。
取得費が300万円増えれば、譲渡所得は300万円減ります。長期譲渡で約60.9万円の節税です。
坂の上の家を購入されたとき、造成や擁壁の工事をされていませんか。当時の請求書・領収書・工事契約書が残っていないか、売却を考え始めた段階で探してください。数十年前の書類でも、残っていれば効きます。
坂の上の物件そのものの売り方は坂の上の家は、売りにくいのか(宝塚市)で扱っています。
南口1億4,000万円の実額計算
宝塚市は宝塚南口・清荒神で高額帯の成約が出ています。南口では土地370㎡・延床230㎡の戸建が1億4,000万円で決まりました。
前提:自分が住んでいたマイホーム、購入時の契約書なし、売った年の1月1日で所有期間10年超。
| 項目 | 制度を使わない場合 | 制度を使った場合 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 1億4,000万円 | 1億4,000万円 |
| 取得費(概算5%) | 700万円 | 700万円 |
| 譲渡費用(手数料468.6万円+印紙6万円) | 474.6万円 | 474.6万円 |
| 譲渡所得 | 12,825.4万円 | 12,825.4万円 |
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | — | ▲3,000万円 |
| 課税譲渡所得 | 12,825.4万円 | 9,825.4万円 |
| 税率 | 20.315% | 6,000万円まで14.21% 超過分は20.315% |
| 譲渡所得税・住民税 | 約2,605.5万円 | 約1,629.7万円 |
差は約975.8万円です。10年超所有の軽減税率は課税譲渡所得6,000万円以下の部分だけが14.21%で、超えた部分は20.315%のままという段階構造になっています。
そして取得費を証明できれば、この税額はさらに下がります。1999年築の物件であれば購入時の契約書が残っている可能性は十分にあります。造成費の請求書も含めて、まず探してください。
市街化調整区域と、値段がつきにくい土地
宝塚市の市域の大部分は、住宅を建てられない区域です。北部の西谷地域を中心に市街化調整区域が広がっており、宝塚市の4分の3には、家が建てられないで詳しく扱っています。
調整区域内の土地は原則として建築が制限されるため、買主が住宅ローンを使えません。価格も購入層もまったく別の市場になります。市街化区域か調整区域かの確認は、査定の出発点です。
また、市街化区域内であっても、宝塚の高台には次のような理由で価格が抑えられる物件があります。
- 接道条件——建築基準法上の道路に2m以上接していないと再建築ができません
- 擁壁の高さと築造年——高い擁壁は、買主側の金融機関が評価を下げることがあります
- 駅からの距離と高低差——徒歩分数は平面距離で計算されるため、坂道の実際の負担は表示に出ません
長寿ガ丘では土地220㎡・1981年築の戸建が100万円で成約しています。この価格帯では令和6年7月1日施行の報酬告示改正により、仲介手数料の上限が税込33万円まで認められます。「安すぎて扱ってもらえない」という状況は、制度上は解消されています。ただし100万円の物件で33万円は売買価格の33.0%になりますので、金額は契約前に書面でご確認ください。
マンションは4年横ばい。ただし築古も下がっていません
宝塚市の中古マンションは、㎡単価の中央値が25.7万円から25.3万円とほぼ横ばいです。両期間で築年の中央値がどちらも1994年と一致しているため、物件構成の影響ではなく実勢がほぼ変わっていないことを示しています。
注目すべきは築年帯別の動きです。
- 2011年以降築——53.3万円 → 60.0万円(+12.6%)
- 2001〜2010年築——44.7万円 → 46.2万円(+3.4%)
- 1991〜2000年築——25.7万円で変化なし
- 1980年以前築——13.6万円 → 14.0万円(微増)
他の市では1980年以前築が10〜18%下落するケースが目立つなか、宝塚では築古も下がっていません。これは宝塚市の中古マンション市場の特徴です。
ただし裏返せば、待っても上がらないということでもあります。この市場で価格を左右するのは築年よりも建物の管理状態と修繕積立金の水準です。詳しくはマンションが売れない理由は、部屋ではなく建物にある(宝塚市)、駅別・築年別の実勢は宝塚市のマンション売却相場【2026年最新】をご覧ください。
仲介手数料・印紙税以外にかかる費用
- 抵当権抹消登記——登録免許税は不動産1個につき1,000円、司法書士報酬を含めて1万5,000円〜2万円程度
- 相続登記——2024年4月1日から義務化。正当な理由なく3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象です
- 解体費用——木造で坪4万円〜5万円程度。ただし坂の上の敷地では、重機の搬入経路と残土の搬出が制約になり、割高になります。階段でしか上がれない敷地では手作業が増えます
- 残置物処分——戸建1軒で15万円〜40万円程度。搬出経路が悪いと上振れします
- 確定測量——35万円〜60万円程度。土地面積の中央値が155㎡と広く、高低差のある敷地では測量にも手間がかかります
- 擁壁の調査——買主から求められることがあります。目視調査で数万円程度、詳細な構造調査になると十数万円。この費用も譲渡費用にはなりません
よくある質問
Q. 売るために擁壁を補修しました。譲渡費用になりますか?
A. なりません。国税庁は譲渡費用にならないものとして「修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用」を挙げています。擁壁の補修、外壁塗装、屋根の葺き替え、リフォームはいずれも修繕費に当たり、売却のために行ったものであっても譲渡費用にはなりません。一方、土地を売るために建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額は譲渡費用になります。同じ200万円でも、擁壁補修なら税額の減少は0円、建物取壊しなら約40.6万円(長期譲渡20.315%の場合)の差が出ます。
Q. 購入時にかけた造成費や擁壁工事費はどうなりますか?
A. 土地の取得費に加算できます。維持管理のための修繕とは異なり、土地の価値を高める資本的支出にあたるためです。取得費が300万円増えれば譲渡所得は300万円減り、長期譲渡で約60.9万円の節税になります。宝塚の高台では造成や擁壁工事を行っているケースが多いため、当時の請求書・領収書・工事契約書が残っていないか、売却を考え始めた段階で探してください。
Q. 宝塚市で家を売ると、仲介手数料はいくらですか?
A. 実際の成約価格で計算すると、市の戸建中央値3,500万円で約122.1万円、中古マンション中央値2,000万円で約72.6万円、宝塚南口の戸建中央値4,850万円で約166.7万円、南口の1億4,000万円(宝塚南口徒歩5分・土地370㎡)で約468.6万円です。売買価格800万円以下の物件は令和6年7月1日施行の報酬告示改正により、上限が30万円の1.1倍(税込33万円)となります。
Q. 人口が減っているのに、家は売れるのですか?
A. 宝塚市の人口は2020年から9,269人減り、減少率4.09%は阪神間で最大です。しかし戸建の成約件数は176件から298件へ約69%増え、総額中央値は3,000万円から3,500万円へ約16.7%上昇しています。市全体の人口が減っても、条件のよい住宅地に買主が集中すればそのエリアの価格は上がります。市の人口動向ではなく、ご自宅のあるエリアの成約データで判断してください。
Q. 宝塚のマンションは、待てば上がりますか?
A. データ上は横ばいです。㎡単価の中央値は25.7万円から25.3万円とほぼ変わらず、築年の中央値も両期間で1994年と一致しています。築年帯別でも2011年以降築+12.6%、2001〜2010年築+3.4%、1991〜2000年築は変化なし、1980年以前築は13.6万円から14.0万円と、いずれも小幅です。他市では築古が10〜18%下落するケースが目立つなか、宝塚では下がっていません。ただし裏返せば、待っても上がらないということでもあります。
まとめ——宝塚市は「何にお金を使うか」で税額が変わります
宝塚市の不動産売却でかかる費用は、市の戸建中央値3,500万円で売却価格の約3.5%、実額では仲介手数料122.1万円が中心です。
ただし宝塚市で判断を分けるのは、次の点です。
- 売るための修繕は譲渡費用になりません——擁壁補修200万円で税額の減少は0円。同額を建物取壊しに使えば約40.6万円減ります
- 購入時の造成費・擁壁工事費は取得費に入ります——300万円で約60.9万円の節税。当時の請求書を探してください
- 市街化調整区域かどうかが出発点——市域の大部分が建築制限のある区域です
- 戸建は4年で件数69%増・中央値16.7%上昇——市の人口減とご自宅の相場は別ものです
- マンションは築古も下がっていない代わりに、上がりもしません——待つ理由が薄い市場です
宝塚市の相場データは宝塚市の不動産売却のページで、駅別・町丁別に公開しています。
査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「擁壁を直してから売るべきかどうか」だけを相談したい、というご依頼でも構いません。
出典:成約データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計。人口は2025年国勢調査人口速報集計。税制は国税庁タックスアンサーNo.3255(譲渡費用となるもの)・No.3302・No.3305・No.7108。仲介手数料の特例は令和6年7月1日施行の報酬告示改正による。造成費・擁壁工事費の取得費算入は資本的支出としての一般的な取扱いであり、個別の工事内容により判断が分かれる場合があります。解体費用・残置物処分費用・登記費用・測量費・調査費用は一般的な目安であり、実際の金額は現地条件によって変わります。掲載の税額はいずれも一定の前提を置いた試算です。最終的な判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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