垂水区の築古戸建、問題は建物ではありません|土地の単価が8.7倍違います

垂水区で築40年、50年の実家を売却するとき、多くの方がこう考えます。「建物はもう価値がないだろうから、土地の値段で売れるはずだ」。
その考え方は正しいのですが、肝心の「土地の値段」が、思っているより低いことがあります。
当社が集計した垂水区の戸建成約25件について、成約価格を土地面積で割った土地1㎡あたりの単価を築年帯別に出したところ、〜1980年築が3.15万円(4件)、2011年以降が27.39万円(10件)。8.7倍の開きがありました。
建物の価値がゼロなら、単価はもっと近づくはずです。そうなっていないということは、問題は建物ではありません。
垂水区の戸建25件を、土地単価で並べました
| 建築年 | 件数 | 土地1㎡あたり | 土地面積の中央値 | 成約価格の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 2011年〜 | 10件 | 27.39万円 | 137.5㎡ | 3,700万円 |
| 2001〜2010年 | 2件 | 21.21万円 | 130㎡ | 2,450万円 |
| 1991〜2000年 | 5件 | 13.79万円 | 90㎡ | 2,000万円 |
| 1981〜1990年 | 4件 | 8.10万円 | 170㎡ | 1,375万円 |
| 〜1980年 | 4件 | 3.15万円 | 152.5㎡ | 790万円 |
ここで注目していただきたいのは土地面積です。〜1980年築の152.5㎡は、2011年以降の137.5㎡より広い。それでも成約価格は790万円と3,700万円に分かれています。
広い土地が、安い単価でしか売れていない。これが垂水区の築古戸建の実像です。
建物を解体しても、この差は埋まりません
土地単価は、建物の状態とは関係のない指標です。それでも8.7倍の差がついているということは、差の原因が土地そのもの、つまり立地にあるということになります。
成約データの町名を見ると、その差がどこにあるかが見えてきます。
| — | 町名と条件 |
|---|---|
| 〜1980年築の4件 | 向陽(土地55㎡・垂水駅・100万円)、舞子坂(土地155㎡・舞子駅 徒歩20分・280万円)、西舞子(土地290㎡・朝霧駅 徒歩15分・1,300万円)、西舞子(土地150㎡・西舞子駅 徒歩10分・1,500万円) |
| 2011年以降の10件 | 南多聞台、桃山台、神陵台、美山台、清水が丘、つつじが丘、学が丘、北舞子、小束台 |
築古の側には徒歩15分・20分の物件が含まれ、土地55㎡という狭い敷地もあります。新しい側は、土地115〜175㎡でまとまっています。
つまり、いま垂水区で市場に出ている築古戸建は、駅から遠い・敷地が狭いといった条件が重なっているものが多い。解体費用をかけて更地にしても、この条件は変わりません。
神戸市垂水区のご自宅が、いま実際にいくらで売れるか。この記事の取引データと、間取り・築年・接道などの条件を突き合わせて、具体的な金額でお出しします。
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株式会社Estate&Co.(不動産売却専門店)/宅地建物取引業免許 兵庫県知事(2)第12171号 会社概要
マンションでも同じ傾向です
| 建築年 | 件数 | ㎡単価の中央値 | 70㎡換算 |
|---|---|---|---|
| 2011年〜 | 2件 | 44.3万円 | 3,101万円 |
| 2001〜2010年 | 4件 | 29.7万円 | 2,079万円 |
| 1991〜2000年 | 6件 | 22.4万円 | 1,568万円 |
| 1981〜1990年 | 6件 | 15.9万円 | 1,113万円 |
| 〜1980年 | 7件 | 5.8万円 | 406万円 |
〜1980年築と2011年以降で7.6倍。戸建の8.7倍とほぼ同じ構図です。
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- 解体を先に決めない——更地にすると翌年の固定資産税で住宅用地特例が外れ、税額が上がることがあります。売れるまでの期間が読めないうちに解体すると、負担だけが増えます
- 土地の単価から逆算する——ご自身の土地面積に、近い条件の成約の土地単価を掛けてみてください。その金額から解体費用を引いた額が、更地渡しの手取りの目安になります
- 接道条件と再建築の可否を確認する——前面道路の幅員が4m未満の場合、セットバックが必要になり有効宅地面積が減ります。法務局の公図と、神戸市の道路担当窓口でご確認ください
- 買主を「実需」に限定しない——土地単価が低い物件は、建築条件の緩い買主(賃貸事業者、隣地所有者)のほうが評価することがあります。隣地の所有者への打診は、実務上いちばん効くことがあります
- 低廉な空家等の特例を確認する——800万円以下の物件は、媒介の報酬上限が30万円の1.1倍=33万円(税込)です。媒介契約時に事前の説明と合意が必要です
この分析の限界を、正直にお伝えします
- 件数がとても少ないデータです——戸建の各帯は2〜10件、マンションは2〜7件。2001〜2010年築の戸建は2件、2011年以降のマンションは2件で、中央値としての意味はほとんどありません
- 土地単価は建物の価値を含んだ数字です——成約価格には建物の対価も含まれるため、純粋な土地の単価ではありません。新しい帯ほど建物の価値が上乗せされている点はご留意ください
- 接道条件・用途地域・高低差は記録されていません——垂水区は高台の造成地が多く、擁壁の状態や前面道路との高低差が価格に大きく影響しますが、データには含まれていません
- 町名の記述は4件と10件の観察です——「築古は駅から遠い」という傾向は、この件数で確定できるものではありません
- 横断比較であって予測ではありません——ご自身の物件が今後たどる値動きを示すものではありません
よくある質問
Q. 垂水区の築古戸建は、土地の値段では売れないのですか?
A. 土地の値段では売れます。ただしその「土地の値段」自体が、新しい分譲地とは大きく違います。当社が集計した戸建25件では、成約価格を土地面積で割った単価が〜1980年築で3.15万円(4件)、2011年以降で27.39万円(10件)と8.7倍の開きがありました。土地150㎡で換算すると472万円と4,108万円です。
Q. 建物を解体すれば高く売れますか?
A. 土地単価の差は建物の状態とは関係のない指標で計算しているため、解体だけではこの差は埋まりません。差の原因は駅からの距離や敷地の広さ・形状といった立地条件にあると考えられます。また更地にすると翌年の固定資産税で住宅用地特例が外れ、税額が上がることがあります。売れるまでの期間が読めないうちの解体は、負担だけが増えるおそれがあります。
Q. マンションでも同じですか?
A. 同じ傾向です。㎡単価の中央値は〜1980年築が5.8万円(7件)、2011年以降が44.3万円(2件)で7.6倍。70㎡換算で406万円と3,101万円です。ただし2011年以降は2件しかなく、参考値としてお読みください。
Q. 自分の土地の目安はどう出せばよいですか?
A. ご自身の土地面積に、条件の近い成約の土地単価を掛けてください。ただし前面道路の幅員が4m未満だとセットバックが必要になり有効宅地面積が減ります。高台の場合は擁壁の状態も評価に影響します。法務局の公図と現地の確認が必要です。
Q. 800万円以下だと仲介手数料はどうなりますか?
A. 令和6年7月1日施行の報酬告示の改正により、価格800万円以下の宅地・建物は報酬の上限が30万円の1.1倍=33万円(税込)とされています。ただし媒介契約の締結に際してあらかじめ説明し、合意することが必要です。〜1980年築の成約価格の中央値790万円は、この価格帯に該当し得ます。
まとめ
- 土地の単価が8.7倍違います——〜1980年築3.15万円、2011年以降27.39万円。土地150㎡で3,636万円の差です
- 築古のほうが土地は広い——152.5㎡と137.5㎡。それでも成約価格は790万円と3,700万円です
- 問題は建物ではなく立地——解体だけでは差は埋まりません
- 解体は慎重に——更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れます
- 件数は2〜10件です——傾向を読む材料であって、価格を決める材料ではありません
垂水区の駅別・町丁別の相場は垂水区の不動産売却で公開しています。売却損が出た場合の確認事項は垂水区で売却損が出たときのチェックリスト、費用と税金は垂水区の不動産売却にかかる費用と税金をご覧ください。
査定は無料で、その後の売却をお約束いただく必要はありません。「解体してから売るべきか、そのまま売るべきか」というご相談こそ、先に金額を出す意味があります。
出典:成約データは国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)に登録された不動産取引価格情報をもとに株式会社Estate&Co.が集計。垂水区の戸建成約のうち土地面積と建築年の双方が判明する25件、マンション成約のうち専有面積と建築年の双方が判明する25件を対象としています。土地1㎡あたりの単価は成約価格÷土地面積の中央値であり、成約価格には建物の対価も含まれるため純粋な土地単価ではありません。本表は同一時点における横断比較であり、個別物件の将来価格の予測ではありません。件数の少ない帯(戸建2001〜2010年築2件、マンション2011年以降2件など)は統計的な信頼性が低く、接道条件・用途地域・高低差・擁壁の状態・建物の状態などの影響は調整していません。固定資産税の住宅用地特例は地方税法第349条の3の2。仲介手数料の特例は宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通省告示(令和6年7月1日施行)。
この記事の集計データについて
本記事が集計に用いたのは、当社サイトの垂水区の成約事例ページに掲載している50件です。これは国土交通省「不動産情報ライブラリ」の直近1年(2025年4月〜2026年3月)のデータから当社が抜粋・加工したもので、垂水区で成立した全取引ではありません。また、掲載事例は種別ごとに価格の低い順に並んでおり、無作為抽出ではありません。そのため、本記事に示した中央値・平均値・単価は、市場全体のそれとは異なる可能性があります。実際のご所有物件の査定額は、間取り・階数・向き・管理状態・リフォーム歴・接道など個別の条件を確認したうえで算出します。
この記事の数字の出典について(2026年9月21日 追記)
この記事の件数・価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(宅地建物取引業者が登録した成約)と不動産取引価格情報(取引当事者へのアンケートに基づく実取引価格)を合わせて集計したものです。本文で「成約」と表記している箇所も、この2種類を合わせた取引を指します。
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